“じか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
直接39.9%
35.9%
自家11.1%
字架3.3%
直下2.6%
仕掛2.0%
時価1.3%
鹿1.3%
地下0.7%
時下0.7%
直轄0.7%
自火0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いや、直接じかに会ったのではないようだが、知人しりびとの誰かに似ていたから間違えたんだ。こう決めてしまって、そのことは頭から遠ざけた。
誰? (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
それがわからない訳ではないけれども、こんどこそじかに「父」と対面できると思っていた秀之進にとっては、少なからぬ失望だった。
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
職業が新聞記者で始終しじゅう自家じかの説ばかり主張しているから、ひとの言うことが容易に耳に入らないのだろう。但しイヨイヨ逃げ切れなくなれば
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
見つけ次第に十字架じかを背負わせて、仮借なきサビヤリを加えた数は、かの切支丹鮮血遺書やその他の殉教史が示すとおりであります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
空はここも海辺かいへんと同じように曇っていた。不規則に濃淡を乱した雲が幾重いくえにも二人の頭の上をおおって、日を直下じかに受けるよりは蒸し熱かった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あの壺の蓋が明いて、博士の身体がバネ仕掛じかけで、この辺の高さまで飛び出して来たとすると、電磁石の働きで、この人造手足がピタリとはまるのです。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
が、家宅捜索かたくそうさくをすると、時価じか概算がいさん億円おくえん相当そうとうする金塊きんかい白金はくきん、その地金ぢがね居室きょしつ床下ゆかしたから発見はっけんされたため、ついにつつみきれずして、刈谷音吉かりやおときち毒殺どくさつのてんまつを自供じきょうするにいたつた。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
ぼうやの鹿しかからはなしをきくと、お父さん鹿じかとお母さん鹿じかは口をそろえて
里の春、山の春 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
えりに「丸市まるいちマーケット」と白くそめぬいた赤いはんてんを着て、地下じかたびで足ごしらえをしたすがたは、いつもとまるでようすはちがっていたが、自分の母親を見あやまるはずはなかった。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
時下じか残暑ざんしょしのぎがたく候処そうろうところ益〻ますます御清穆ごせいぼく御事おんこと存上候ぞんじあげそうろう 却説さて 伯爵様はくしゃくさま折入おりいって直々じきじき貴殿きでん御意得度思召ぎょいえたきおぼしめし被在候間あらせられそうろうあいだ明朝みょうちょう御本邸ごほんてい御出仕可然ごしゅっししかるべく此段申進候このだんもうしすすめそうろう 早々そうそう頓首とんしゅ
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
実は私も委曲くわしい事は知らんがなあ。お目付の松倉さんから聞いた話を受売りするとなあ……豊後の日田という処は元来天領で、徳川様の直轄じかの御領分じゃ。
土蔵二戸前ふたとまえ焼け落ち、自火じかだから元の通り建てる事も出来ませんで、麻布あざぶへ越しましたが、それから九ヶ年過ぎますると寛政四壬子年みずのえねどし麻布大火でござります。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)