“じき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
53.7%
10.1%
時期8.5%
時機5.9%
4.8%
自棄3.2%
磁器2.7%
自記2.1%
時季1.6%
時宜1.6%
侍姫1.1%
直接1.1%
磁気1.1%
仕切0.5%
地気0.5%
珥氣0.5%
磁氣0.5%
辞義0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
避ける工夫は仕てなかッた、殺すと早々逃たのだろう、余り智慧のたくましい男では無いと見える、此向このむきなら捕縛すればじきに白状するだろう
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
したがって食物は、ただ口だけに必要なものではありません。眼にも、耳にも、鼻にも、みんなじき、すなわち食物が必要なのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
人生の、ひとつの、より輝かしい時期じきが、私にはじまつたと思つた——花やよろこびと共に、荊棘いばらや辛勞をも受けるであらう時期。
殺す時機じき因果いんぐわづくだが斷念あきらめて成佛じやうぶつしやれお安殿と又切付れば手を合せどうでも私を殺すのか二人の娘にあふまではしにともないぞや/\と刄にすがるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
とぶっきらぼうの私も雪江さんだけには言いつけぬお世辞も不覚つい出て、机の上の毛糸のランプじきそっとランプを載せると
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
宗助そうすけこの一語いちごなかに、あらゆる自暴じばう自棄じきと、不平ふへい憎惡ぞうをと、亂倫らんりん悖徳はいとくと、盲斷まうだん決行けつかうとを想像さうざうして、是等これら一角いつかくれなければならないほど坂井さかゐおとうと
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
きたまくらに、しずかにじている菊之丞きくのじょうの、おんなにもみまほしいまでにうつくしくんだかおは、磁器じきはだのようにつめたかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
彼と春岳との関係と彼が生活の大体とは『春岳自記じき』の文につまびらかなり。その文に曰く
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
やま陽炎かげらふえてきます。ところによつて時季じきはむろんちがひますが、東京附近とうきようふきんでは三月さんがつ中旬頃ちゆうじゆんごろから五月頃ごがつごろまでに、します。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
私は何と云ふべきであらう? あゝ時宜じきを得た滿足な答へを
この時今宵の曲の女王は、侍姫じきに扮せる二女優と共に場に上りぬ。紳士眉をひそめて、さては女王はかれなりしか、全曲は最早一錢の價だにあらざるべし、あはれジヤンネツテならましかばとつぶやきぬ。
明日たつの刻ごろまでに自身当寺へ来たるべし、かねてその方工事仰せつけられたきむね願いたる五重塔の儀につき、上人直接じきにお話示はなしあるべきよしなれば、衣服等失礼なきよう心得て出頭せよと
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
まぶたが、磁気じきを帯びたように、両方から近づく。彼は、消えそうで消えないガスのをじっと見つめていようと思う。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
魚の貯えてある舟底の魚槽ぎょそうは、船尾を竹網仕切じきりにして、江の水が自由にひたすようになっている。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
苦しさに堪えかねて、暫時しばし路傍みちのべうずくまるほどに、夕風肌膚はだえを侵し、地気じき骨にとおりて、心地ここち死ぬべう覚えしかば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
日輪の兩傍に現はるゝものを珥氣じきといふ類は、實に數限りも無いことであるが、此等も亦皆其の物より發する其の微分子の如きものを稱すると解して差支無い。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
この歸宅はどちらも大變樂しくも望ましくもなかつた。何等の磁氣じきも私が近づくにつれて引力を増して行くべき場所へ私を惹きつけることはなかつた。
さあ、御坊様ごぼうさま御挨拶ごあいさつをなすつてください、まあ、お辞義じきをおわすれかい。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)