“しい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シイ
語句割合
34.7%
思惟16.1%
15.1%
10.3%
恣意2.9%
2.3%
仕入1.9%
1.6%
緇衣1.6%
紫衣1.3%
施為1.0%
仕出1.0%
肆意1.0%
四囲1.0%
四位0.6%
旨意0.6%
為入0.6%
為好0.6%
屍衣0.3%
0.3%
思為0.3%
仕好0.3%
仕活0.3%
仕生0.3%
四夷0.3%
士彛0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
示威0.3%
私意0.3%
至為0.3%
0.3%
0.3%
豕蛇0.3%
豕韋0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
屋敷の西側に一丈五六尺も廻るようなしいの樹が四五本重なり合って立って居る。村一番の忌森いもりで村じゅうからうらやましがられて居る。
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
故に吾人ごじんは、肉体なき霊魂を考え得ず、表現なき「詩の幽霊」を思惟しいし得ない。詩は表現があってのみ、始めて詩と言われるのである。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
それゆえ椿には実は字音というものは無い筈だが、しかしそれをしいて字音でみたければこれをシュンというより外致し方があるまい。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
陳の霊公がしいせられたと聞くや、楚の荘王は直ちに軍を率いて、陳の都に入った。夏徴舒は捕えられ、栗門りつもんという所で車裂の刑に遭った。
妖氛録 (新字新仮名) / 中島敦(著)
しかし作家の人選の点になると、関東関係の政治権力の影響と、定家自身の歌人的地位からくる私情的人選の恣意しいとが、大分あらわれているようである。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
世間馴れぬお梅はこんなむつしい事件の後仕末について、祖母から相談を掛けられるのを恐れてゐた。
孫だち (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
懇意こんいなそここゝでおしな落葉おちば一燻ひとくいてもらつてはかざしてやつあたゝまつた。蒟蒻こんにやく仕入しいれてときはそんなこんなでひまをとつて何時いつになくおそかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「このごろは、それはお帰りが遅いのよ。だから淋しくて淋しくてしようがなかったの。ねえしいちゃん。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
退けばすなわ緇衣しい香烟茶味こうえんちゃみ、淡然として生を終り、栄国公えいこくこうおくられ、そうを賜わり、天子をしてずから神道碑しんどうひを製するに至らしむ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
烏帽子えぼし直垂ひたたれ伶人れいじん綾錦あやにしき水干すいかんに下げ髪の童子、紫衣しいの法主が練り出し、万歳楽まんざいらく延喜えんぎ楽を奏するとかいうことは、昔の風俗を保存するとしてはよろしいかもしれぬが
教育と迷信 (新字新仮名) / 丘浅次郎(著)
もし彼等に何かの積極的、思想的立場の明かなものがありさえすれば、それで従来の伝統に対して何等かの施為しいが可能になり、寺院も僧侶自身も更生の機会を得るのである。
洪川禅師のことども (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
其の太刀帯びて一三七大宮おほみやの祭をるやらん。一三八いかに物に狂ふぞ、といふ声の高きに、父聞きつけて、一三九徒者いたづらものが何事をか仕出しいでつる。
作家と読者との相関のいきさつのなかに文学の動向の諸相を明らかにしてゆく現実の作用は喪われて、批評はそれを書くひとの主観の流れに応じて肆意しい的に自身の渦巻きを描くものとなった。
文学精神と批判精神 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
音の性質で、兼好はすぐ四囲しいのとどろきを
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天子てんしさまはそのうたをおよみになって、かわいそうにおおもいになり、頼政よりまさ四位しいくらいにして、御殿ごてんのぼることをおゆるしになりました。
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
加平を通じて三十人扶持ぶちを賜わること、なお家を建ててやるようにという旨意しいが伝えられた。
おれの女房 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
其の男は近江おうみから蚊帳を為入しいれて、それを上州じょうしゅうから野州やしゅう方面に売っていたが、某時あるとき沼田へ往ったところで、領主の土岐家ときけへ出入してる者があって、其の者から土岐家から出たと云う蚊帳を買って帰り
沼田の蚊帳 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
とほりまがつて横町へて、成るく、はなし為好しいしづかな場所を撰んで行くうちに、何時いつ緒口いとくちいて、思ふあたりへ談柄だんぺいが落ちた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
屍衣しいに包まれて青白い色をしていたり、頬に死のむらさき色を現わしていたりすることなく、華やかな陽気な、快活な顔色をしてはいって来ました。
さてかのクラリモンドは——と見ると、彼女は大理石像のような青白い姿で、両手を組みあわせ、頭から足へかけて白い屍衣しい一枚をかけてあるだけでした。
「どつこい、謝まつた。逃げちやいけねえ、今日は大眞面目に頼み事があるんだ。しいちやんは、近頃評判の音羽の唐花屋からはなやへ買物に行つたことはないか」
「よう、相變らず美しいネ。罪だぜ、おしい坊」
学海桜痴両居士こじが活歴劇流行のころうた鳴物なりもの並にゆかの浄瑠璃はしばしば無用のものとして退けられたり。彼らは江戸演劇を以て純粋の科白劇かはくげきなりと思為しいしたるが如し。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
余は独仏の好事家こうずかが写楽を珍重するは単に好奇の念のみにはあらず、その布局その色彩及び顔面輪廓の描線等、油絵肖像画の新発展につきて多大の参考となるがためなるべしと思為しいせざるを得ず。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
私も親類へ行って、この人も元はこれ/\のお侍でございましたが、運が悪くってこういう訳になったからといって頼むにも、二人ながら武士の家に生れた者だから、親類へも話が仕好しい
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
作曲家と振付家にゆだぬべきは勿論の事ではあるが、これ等の芸術によって仕活しいかすところの宗教的思想——或は宗教的アトモスフィーヤ——に就いて一応作家の意図を述べて
阿難と呪術師の娘 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
木型が出来ましたので、大島如雲氏はそれを原型として鋳金にしましたが、なかなかく出来て、原型をさらに仕生しいかすほどの腕で滞りなく皇居御造営事務局の方へ納まりました。
四夷しいを平らげ、天下を治め、兵農を分ち、悪銭を禁じ……と来たまではよかったが、楊貴妃に鼻毛を読まれて何でもオーライで、兄貴の楊国忠ようこくちゅうを初め
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
幼名は四方吉よもきちい、後に傳次郎でんじろう、それから嘉次郎かじろうとも称しました。生長してからは國倫くにともと称し、あざな士彛しいと号したのです。
平賀源内 (新字新仮名) / 石原純(著)
夫れ文武のまつりごとしいて方策に在りと雖、之を活用するの政治家なくんば空文となりて過ぎんのみ、憲法はスタイン先生をして感服せしむるも、民法は「コード、ナポレオン」に勝ること万々なるも
あとから来た青糸毛のうしろに、黒塗りの鷺足のしいが据えられて、うしろすだれがさやさやと巻きあげられると、内から玉藻の白い顔があらわれた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「さ、おしいがさめますよ、お朝飯あなりにしましょ」と云ってかやの体を半分抱きながら納屋と裏庭の竹の四つ目垣の間を通って、母屋おもやの茶の間へ連れて来た。
かやの生立 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
世には、かくのごとき児戯に類した示威しい運動によりおそれたり、またはこれを偉いもののように思う者も多くある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
で、材料ざいりょう取捨しゅしゃ選択せんたくせめ当然とうぜんわたくし引受ひきうけなければなりませんが、しかし通信つうしん内容ないよう全然ぜんぜん原文げんぶんのままで、私意しいくわへて歪曲わいきょくせしめたような個所かしょはただの一箇所かしょもありません。
そのわけをたずねた一人に答えて、紀昌はものうげに言った。至為しいす無く、至言は言を去り、至射は射ることなしと。なるほどと、至極しごく物分ものわかりのいい邯鄲の都人士はすぐに合点がてんした。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
丁度あの切支丹等が、彼等のマリア観音を壁に隠して、秘密に信仰をつづけたように、我々のしいたげられた詩人たちも、同じくその芸術を守るために、秘密な信仰をつづけねばならなかった。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
『そんな嘘が、そんな嘘が——正直ものをしいるような、そんな嘘が言えるものなら!』
糸くず (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
平賊の事、言ふに足らざる也、彼や鴟梟しけう之性を以て、豕蛇しいの勢に乗じ、肆然しぜんとして自から新皇と称し、偽都を建て、偽官を置き
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
また豕韋しいという星は周の時亥宮にあり、亥は猪、すなわち豕に当るからかく名づけた。