思為しい)” の例文
学海桜痴両居士こじが活歴劇流行のころうた鳴物なりもの並にゆかの浄瑠璃はしばしば無用のものとして退けられたり。彼らは江戸演劇を以て純粋の科白劇かはくげきなりと思為しいしたるが如し。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
余は独仏の好事家こうずかが写楽を珍重するは単に好奇の念のみにはあらず、その布局その色彩及び顔面輪廓の描線等、油絵肖像画の新発展につきて多大の参考となるがためなるべしと思為しいせざるを得ず。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)