仕入しい)” の例文
旦那だんな徐羣夫じよぐんふ田舍大盡ゐなかだいじん忘其郡邑矣そのぐんいうをわする、とあるから何處どこのものともれぬが、あんずるに金丸商店かねまるしやうてん仕入しいれの弗箱どるばこ背負しよつて、傲然がうぜんひかへる人體じんてい
画の裡 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
懇意こんいなそここゝでおしな落葉おちば一燻ひとくいてもらつてはかざしてやつあたゝまつた。蒟蒻こんにやく仕入しいれてときはそんなこんなでひまをとつて何時いつになくおそかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
で——店の者には、小口の仕入しいれに来た、たばこ行商人と分っておりましたが、べつにお世辞の相槌あいづちも打たず、九兵衛も手代もにべもなく黙っておりますと、男は
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はてな、あんなにたくさんのあぶらだるをなんでこう仕入しいれてきたろう。」と、おつかんがえました。
神は弱いものを助けた (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼はあしたは長谷はせ大友おおともと晩飯を共にするつもりだった。こちらにないスコットの油画具あぶらえのぐやカンヴァスも仕入しいれるつもりだった。フロイライン・メルレンドルフの演奏会へも顔を出すつもりだった。
十円札 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
粗末そまつ仕入しいれものとられるものははなはまれであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
しな百姓ひやくしやう隙間すきまにはむらから豆腐とうふ仕入しいれてては二三ヶそんあるいてるのがれいである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)