“甲”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
こう33.8%
かぶと20.5%
かん16.9%
よろい10.5%
かふ5.9%
よろひ2.3%
よろ1.8%
かう1.4%
ヨロヒ1.4%
きのえ0.9%
(他:10)4.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
橋の上で怪我をしたらしく、足のこうは無造作に巻いてありますが、素足のままの足が、板じきを踏んで、こんな事にまで痛々しさが沁み出すのです。
ひとり何とも知れぬ大きな亀のこうが、真向まむこうに釣るしてあって、その下から長い黄ばんだ払子ほっす尻尾しっぽのように出ていた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
夫人の横顔は、いつもにくらべると、いくぶん青ざめており、その視線は、つつましくひざの上に重ねている手のこうにおちているように思われた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
真鉄まがねたて黒鉄くろがねかぶとが野をおおう秋の陽炎かげろうのごとく見えて敵遠くより寄すると知れば塔上の鐘を鳴らす。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「甲州勢退くと見るや、城兵一時に安心し、凍えた身肌を暖めんものとかぶとを脱ぎよろいを解き弓矢を捨て刀鎗とうそうさやにし……」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
馬匹数十頭、兵舟百余艘、弩弓どきゅう、よろいかぶと石火矢砲いしびやほう帆布はんぷ、糧食など、すべて梁庫りょうこに入れられた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし舞台の上に子供などが出て来て、かんの高い声で、あわれっぽい事などを云う時には、いかな私でも知らず知らず眼に涙がにじみ出る。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と叫ぶかん高い声を聞いて、左膳は、何はともあれ脱出するのが目下の急務だから、依然いぜん縁さきに佇立ちょりつする源十郎をしりめにかけて、
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
かんに高い浅吉の呼び声は、感情もまたたかぶって、沼のほとりを、あちらこちらとさがし廻っている様子が、なんとしても穏かには響きません。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
山上で人々はよろいを身に着直した。——そして全軍を三隊にわけ、一は中山なかやまの敵塁に朝討ちをかけ、一はとびへ馳せ向った。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(翁と嫗とはうろうろして奥を窺ううちに、奥より蛇は髪をふり乱して走りいず。蟹は赤きよろいをつけ、かの長刀なぎなたを持ちて追い出ず。)
蟹満寺縁起 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
名を聞いただけでも、諸将はきもを冷やした。士卒たちは皆、よろいや下着を火に乾していたところなので、周章狼狽、赤裸のままで散乱するもある。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
同時どうじ富士山ふじさん噴出ふんしゆつして駿すんかふさうがおびたゞしく震動しんどうしたといふのであるが
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
夜番よばんものかふおつへい其他そのた多勢おほぜいパリスの侍童こわらは案内者あんないじゃにして出る。
見てると街道には車が通る、馬が通る、をたゞおんぶした田舎のかみさんが通る、脚絆きやはんかふかけの旅人が通る。
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
かれかぎを以ちて、その沈みし處を探りしかば、その衣の中なるよろひかりて、かわらと鳴りき。
よろひを通し腹を刺す——女の篠懸すゞかけ始終しじゆう東をばかり氣にしてゐて定業ぢやうごふ瞑想めいさうする、さうして胚種はいしゆの通りすがりに、おまへは之を髮に受けとめる
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
さう言へばあの方が壮盛わかざかりに、矛使ほこゆけをこのんで、今にも事あれかしと謂つた顔で、立派なよろひをつけて、のつし/\と長い物をいて歩いたお姿が、ちらつくやうだなどゝ、相槌をうつ者も出て来た。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
そして冬月その葉の小葉は落ち去ってもなお鉤刺をよろうその主軸ならびに枝軸には依然としてその鉤刺が残り、その刺体は確かと茎に固着して脱去しない。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
兵はもう暗いうちから起きて、馬には草飼い、身にはよろい、そして腰兵糧までつけて、主人の出るのを待っていた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
松の翠はだ色ばかりが佳いのではなく、その樹の姿がこの上もなく勢があって、その枝は四方に張り、その幹は天半に聳え立って亀ッ甲の皮をよろい、そのありさまが最も強健勇壮です。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
かうひたして爪先つまさきかゞめながら、ゆきのやうな素足すあしいしばんうへつてた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いづれ首垂うなだれた二人ふたりなかへ、くさかうをつけて、あはれや、それでもなまめかしい、やさしいかひな仰向あふむけにちた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
代助は時々とき/″\かうひたひまへかざした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
さう言へば、あの方が壯盛ワカザカりに、捧術ホコユケコノんで、今にも事あれかしと謂つた顏で、立派なヨロヒをつけて、のつし/\と長い物をいて歩かれたお姿が、あれを見てゐて、ちらつくやうだなど、と相槌をうつ者も出て來た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
さう言へば、あの方が壯盛ワカザカりに、棒術ホコユケコノんで、今にも事あれかしと謂つた顏で、立派なヨロヒをつけて、のつし/\と長い物をいて歩かれたお姿が、あれを見てゐて、ちらつくやうだなど、と相槌をうつ者も出て來た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
さう言へば、あの方が壮盛ワカザカりに、棒術ホコユケコノんで、今にも事あれかしと謂つた顔で、立派なヨロヒをつけて、のつし/\と長い物をいて歩かれたお姿が、あれを見てゐて、ちらつくやうだなど、と相槌アヒヅチをうつ者も出て来た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
かのえさるきのえとうのいろいろのこう、あるいは二十三夜講にじゅうさんやこうのようなものを組織し、また継続して、その講中だけは一人もけ落ちず
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
六微旨大論に天の氣はきのえに始まり、地の氣はに始まる、子甲相合するを、なづけて歳立さいりふといふ、謹んで其の時を候すれば、氣與に期す可し、と説けるものや、甲子の歳は、初の氣
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
成程、たらたらとうるしのような腹を正的まともに、こうらに濡色の薄紅うすべにをさしたのが、仰向あおむけにあぎと此方こなたへ、むっくりとして
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それへ、ほかほかとこうらを干した、の葉に交って青銭の散ったさまして、大小の亀はウ二十、かわらの石の数々居た。中には軽石のごときが交って。——
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かにこうらに似せて穴を掘る。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
歌は進んで「泣いて別れうか、焦れてのきよか。」といふカンのところへ来たので、白井は身体を前に首まで伸しかけた時、
来訪者 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
音頭とりは、太鼓打ちや、子どもらと、籰の上に乗つて居て、ゆりカンと言つた調子で謡ふ。
だいがくの研究 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
そして両方とも幹は勇健で直立分枝し下の方は著しい亀甲状の厚い樹皮でおおうている。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
かれその國より上り幸でます時に、龜のに乘りて、釣しつつ打ち羽振り來る人速吸はやすひに遇ひき。
或時あるとき土方どかたとなり、或時あるときは坑夫となって、それからそれへと際限はてしもなく迷い歩くうちに、二十年の月日は夢と過ぎた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それからそれへと考えながら、市郎は硬い岩を枕にしばらく寝転んでいた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
震災直後の東京ではライスカレー一皿で要求に応じた女が居たとたれかれも云う。そのライスカレーは、玄米の飯に馬鈴薯と玉葱の汁をドロドロとまぜてカラシ粉をふりかけたもので、一杯十銭位であった。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
左様そうサね、僕は忘れて了った。……何とか言ったッけ。」とひとり書籍ほんを拾い上げて、何気なにげなく答える。
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
甲乙ふたりは無言で煙草を喫っている。ひとり書籍ほん拈繰ひねくって故意わざと何か捜している風を見せていたが、
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
退屈まぎれに、しきりに方角を日記でしらべ、やっとキノエキノトひのえかのえみずのえ癸を発見した。