かふ)” の例文
足袋たび穿かぬあしかふさめかはのやうにばり/\とひゞだらけにつてる。かれはまだらぬ茶釜ちやがまんでしきりにめし掻込かつこんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
眞白まつしろなのは、てのひらへ、むらさきなるは、かへして、指環ゆびわ紅玉ルビイかゞやかふへ、朱鷺色ときいろあしして、かるとまるまでにれたのであつた。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのうへ個人こじんには特殊とくしゆ性癖せいへきがあつて、所謂いはゆるきらひがあり、かふこのところおつきらところであり、所謂いはゆるたでむしきである。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
まづしい店前みせさきにはおほがめかふわに剥製はくせい不恰好ぶかっかううをかはつるして、周圍まはりたなには空箱からばこ緑色りょくしょくつちつぼおよ膀胱ばうくわうびた種子たね使つかのこりの結繩ゆはへなは
其内そのうちじつとしてゐる身體からだも、膝頭ひざがしらからいたはじめた。眞直まつすぐばしてゐた脊髓せきずゐ次第々々しだい/\まへはうまがつてた。宗助そうすけ兩手りやうてひだりあしかふかゝえるやうにしてしたおろした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
田の境のどぶにはがツンツン出て、雑草が網のやうに茂つてゐた。見てると街道には車が通る、馬が通る、をたゞおんぶした田舎のかみさんが通る、脚絆きやはんかふかけの旅人が通る。
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
八五郎は、手のかふでおでこを拭いて、舌なめりをするのです。
或樹あるきは細長いどうに真赤な海老えびかふを着けて居る。
南洋館 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
すぐに英武のヘクトールとうよりかふを取りはづし
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
刺罌粟とげけし、すきな手のかふゑくぼ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
與吉よきち卯平うへいそばからなゝめしてた。卯平うへい與吉よきちちひさなあしかふへそつとれてた。あしどつちもざら/\とこそつぱかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ひざまへちてた、ひとツのはう手袋てぶくろ格恰かくかう出来できたのを、わたしつて、てのひらにあてゝたり、かふうへツけてたり
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しか骨董こつとうのつくほどのものは、ひとつもないやうであつた。ひとりなんともれぬおほきなかめかふが、眞向まむかふるしてあつて、其下そのしたからながばんだ拂子ほつす尻尾しつぽやうてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
カピューレット長者ちゃうじゃさきに、おなじく夫人ふじん乳母うばならびに下人げにんかふおついて出る。
有史時代いうしじだいつてはじめて地震ぢしん傳説でんせつえるのは、孝靈天皇かうれいてんのうの五ねん近江國あふみのくにけて琵琶湖びはこ出來でき同時どうじ富士山ふじさん噴出ふんしゆつして駿すんかふさうがおびたゞしく震動しんどうしたといふのであるが
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
敵の右足うそくかふを射り貫き通し地に立ちぬ。
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
草鞋わらじ穿いたあしかふへもおちうへまたかさなり、ならんだわきまた附着くツついて爪先つまさきわからなくなつた、うしてきてるとおもふだけみやくつてふやうな。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
夜番よばんものかふおつへい其他そのた多勢おほぜいパリスの侍童こわらは案内者あんないじゃにして出る。
父を眺めつ、燦爛のかふに恐れつ、甲の上
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
ぬまふち追迫おひせまられる、とあしかふ這上はひあが三俵法師さんだらぼふしに、わな/\身悶みもだえするしろあしが、あの、釣竿つりざをつた三にんのやうに、ちら/\とちういたが、するりとおとして、おびすべると
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つゑつたかふを、とんたゝ
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)