“店前”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みせさき93.0%
テラス2.3%
てんぜん2.3%
みせッさき2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
湖畔にこういう突風が起りつつあることを知るや知らずや、道庵先生は抜からぬかおで、大津の旅宿鍵屋かぎや店前みせさきへ立現われました。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
海馬かいばの噴水の横から道をはすくともう白に赤の細いふちを取つたリラの店前テラスの張出した日覆ひおほひが、目の前でぱたぱた風に動いて居ました。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
西洋人の馬車が店前てんぜんとどまって盛装した婦人が自分でハムの片腿かたももを下げている事も沢山ある。日本の貴夫人が食品屋へ入ったのは見た事がない。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
見ますとね、下の店前みせッさきに、八角の大火鉢を、ぐるりと人間のいわのごとく取巻いて、大髻おおたぶさの相撲連中九人ばかり、峰をそばだて、谷をひらいて、湯呑ゆのみあおり、片口、丼、谷川の流れるように飲んでいる。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)