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みせさき
ふりがな文庫
“
店前
(
みせさき
)” の例文
湖畔にこういう突風が起りつつあることを知るや知らずや、道庵先生は抜からぬ
面
(
かお
)
で、大津の旅宿
鍵屋
(
かぎや
)
の
店前
(
みせさき
)
へ立現われました。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ちょいとどうぞと
店前
(
みせさき
)
から声を懸けられたので、荒物屋の
婆
(
ばば
)
は急いで蚊帳を
捲
(
まく
)
って、店へ出て、一枚着物を着換えたお雪を見た。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
店前
(
みせさき
)
に、言い訳のように、数えられるほど「敷島」だの「大和」だのを並べて、他に半紙とか、状袋のようなものを少しばかり置いている。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
貧
(
まづ
)
しい
店前
(
みせさき
)
には
※
(
おほがめ
)
の
甲
(
かふ
)
、
鰐
(
わに
)
の
剥製
(
はくせい
)
、
不恰好
(
ぶかっかう
)
な
魚
(
うを
)
の
皮
(
かは
)
を
吊
(
つる
)
して、
周圍
(
まはり
)
の
棚
(
たな
)
には
空箱
(
からばこ
)
、
緑色
(
りょくしょく
)
の
土
(
つち
)
の
壺
(
つぼ
)
、
及
(
およ
)
び
膀胱
(
ばうくわう
)
、
黴
(
か
)
びた
種子
(
たね
)
、
使
(
つか
)
ひ
殘
(
のこ
)
りの
結繩
(
ゆはへなは
)
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
馬越氏は皺くちやな
掌
(
て
)
の甲で、その大事な眼を
摩
(
こす
)
つて
悦
(
よろこ
)
んだ。そして骨董屋の
店前
(
みせさき
)
を出ようとして思はず
立
(
た
)
ち
停
(
どま
)
つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
茶屋は揃って、二階に役者紋ぢらしの幕を張り、
提灯
(
ちょうちん
)
をさげ、
店前
(
みせさき
)
には、
贔屓
(
ひいき
)
から役者へ贈物の台をならべた。
旧聞日本橋:19 明治座今昔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
今夜も又木戸番か何たら事だ面白くもないと肝癪まぎれに
店前
(
みせさき
)
へ腰をかけて駒下駄のうしろでとん/\と土間を蹴るは二十の上を七つか十か
引眉毛
(
ひきまゆげ
)
に作り生際
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
すると一軒の絵双紙屋の
店前
(
みせさき
)
で、ひょッと眼に付いたのは、今の雑誌のビラだ。さア、
其奴
(
そいつ
)
の垂れてるのを一寸瞥見しただけなんだが、私は胸がむかついて来た。
予が半生の懺悔
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
𣵀麻は絵草紙屋の前に立ち留まった。おれは西南戦争の錦絵を見ていると、𣵀麻は
店前
(
みせさき
)
に出してある、帯封のしてある本を取り上げて、店番の年増にこう云うのである。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
その一階の
店前
(
みせさき
)
に、いろとりどりの美しい草花が
鉢
(
はち
)
にもられていっぱいに並んでいるのを。
一坪館
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼
(
かれ
)
は
町
(
まち
)
を
廻
(
まは
)
るに
病院服
(
びやうゐんふく
)
の
儘
(
まゝ
)
、
妙
(
めう
)
な
頭巾
(
づきん
)
を
被
(
かぶ
)
り、
上靴
(
うはぐつ
)
を
穿
(
は
)
いてる
時
(
とき
)
もあり、
或
(
あるひ
)
は
跣足
(
はだし
)
でヅボン
下
(
した
)
も
穿
(
は
)
かずに
歩
(
ある
)
いてゐる
時
(
とき
)
もある。
而
(
さう
)
して
人
(
ひと
)
の
門
(
かど
)
や、
店前
(
みせさき
)
に
立
(
た
)
つては一
錢
(
せん
)
づつを
請
(
こ
)
ふ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
翌朝
(
よくちょう
)
になり伴藏は志丈を連れて
我家
(
わがや
)
へ帰り、
種々
(
いろ/\
)
昨夜
(
ゆうべ
)
の
惚気
(
のろけ
)
など云っている
店前
(
みせさき
)
へ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
小間物屋の
小豆屋善兵衛
(
あずきやぜんべえ
)
の二階へ上って、右衛門七という好きな人と、二人きりで、恥かしさに、
凝
(
じっ
)
と黙り合って、うかと二階から顔を出していた時、
店前
(
みせさき
)
の
暖簾
(
のれん
)
の前に立ちどまって
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
村
(
むら
)
の
酒屋
(
さかや
)
の
店前
(
みせさき
)
までくると、
馬方
(
うまかた
)
は
馬
(
うま
)
をとめました。いつものやうに、そしてにこにことそこに
入
(
はい
)
り、どつかりと
腰
(
こし
)
を
下
(
をろ
)
して
冷酒
(
ひやざけ
)
の
大
(
おほ
)
きな
杯
(
こつぷ
)
を
甘味
(
うま
)
さうに
傾
(
かたむ
)
けはじめました。一
杯
(
ぱい
)
一
杯
(
ぱい
)
また一
杯
(
ぱい
)
。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
淡島屋のでなければ軽焼は風味も良くないし、疱瘡痲疹の
呪
(
まじな
)
いにもならないように誰いうとなく言い
囃
(
はや
)
したので、疱瘡痲疹の流行時には
店前
(
みせさき
)
が市をなし、一々番号札を渡して
札順
(
ふだじゅん
)
で売ったもんだ。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
彼は薄暗い
店前
(
みせさき
)
を覗いた。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
それは、大八車が一つ、この宿屋の
店前
(
みせさき
)
についていて、そこに穀物類が片荷ばかり積み載せてあるその真中に、四角な鉄の
檻
(
おり
)
が一つある。
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その木材の蔭になって、日の光もあからさまには射さず、薄暗い、
冷々
(
ひやひや
)
とした
店前
(
みせさき
)
に、
帳場格子
(
ちょうばごうし
)
を控えて、年配の番頭が
唯
(
ただ
)
一人
帳合
(
ちょうあい
)
をしている。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今夜
(
こんや
)
も
又
(
また
)
木戸番
(
きどばん
)
か、
何
(
なん
)
たら
事
(
こと
)
だ
面白
(
おもしろ
)
くもないと
肝癪
(
かんしやく
)
まぎれに
店前
(
みせさき
)
へ
腰
(
こし
)
をかけて
駒下駄
(
こまげた
)
のうしろでとん/\と
土間
(
どま
)
を
蹴
(
け
)
るは二十の
上
(
うへ
)
を七つか十か
引眉毛
(
ひきまゆげ
)
に
作
(
つく
)
り
生際
(
はへぎは
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼
(
かれ
)
は
町
(
まち
)
を
廻
(
まわ
)
るに
病院服
(
びょういんふく
)
のまま、
妙
(
みょう
)
な
頭巾
(
ずきん
)
を
被
(
かぶ
)
り、
上靴
(
うわぐつ
)
を
穿
(
は
)
いてる
時
(
とき
)
もあり、
或
(
あるい
)
は
跣足
(
はだし
)
でズボン
下
(
した
)
も
穿
(
は
)
かずに
歩
(
ある
)
いている
時
(
とき
)
もある。そうして
人
(
ひと
)
の
門
(
かど
)
や、
店前
(
みせさき
)
に
立
(
た
)
っては一
銭
(
せん
)
ずつを
請
(
こ
)
う。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
八百屋であったかの
店前
(
みせさき
)
に、街の方を背にして立っていると、傍に立っていた姉が、『あれあれ』って不意に私の横腹の処を突くから私、何かと思って『えッ、何ッ』って
背後
(
うしろ
)
を向くと
雪の日
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
助七は三吉の帰りを待ちかねて
店前
(
みせさき
)
に出て居りまして
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ある
日
(
ひ
)
、その
店前
(
みせさき
)
へ一はの
親雀
(
おやすゞめ
)
がきて
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
ズカズカと
茶袋
(
ちゃぶくろ
)
が一人入って来ました。入って来ると共に茶袋は、
店前
(
みせさき
)
に落ちていた紙片を手早く拾い取って、
威丈高
(
いたけだか
)
に店の者を
睨
(
にら
)
みつけます。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
もあからさまには
射
(
さ
)
さず、
薄暗
(
うすぐら
)
い、
冷々
(
ひや/\
)
とした
店前
(
みせさき
)
に、
帳場格子
(
ちやうばがうし
)
を
控
(
ひか
)
へて、
年配
(
ねんぱい
)
の
番頭
(
ばんとう
)
が
唯
(
たゞ
)
一人
(
ひとり
)
帳合
(
ちやうあひ
)
をしてゐる。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
今夜も又木戸番か、何たら事だ面白くもないと
肝癪
(
かんしやく
)
まぎれに
店前
(
みせさき
)
へ腰をかけて
駒下駄
(
こまげた
)
のうしろでとんとんと土間を
蹴
(
け
)
るは二十の上を七つか十か
引眉毛
(
ひきまゆげ
)
に作り
生際
(
はへぎは
)
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ええ、ええ、ええ、
伺
(
うかが
)
います。お話はお
馴染
(
なじみ
)
の東京
世渡草
(
よわたりぐさ
)
、
商人
(
あきんど
)
の
仮声
(
こわいろ
)
物真似
(
ものまね
)
。先ず
神田辺
(
かんだへん
)
の事でござりまして、ええ、
大家
(
たいけ
)
の
店前
(
みせさき
)
にござります。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
兵馬は往来に面するところの障子を開いて見下ろすと、なるほど、かなり酔っているらしい一隊の茶袋が、この万字楼の
店前
(
みせさき
)
に群がっている様子であります。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
向うの路地の角なる、小さな
薪
(
まき
)
屋の
店前
(
みせさき
)
に、
炭団
(
たどん
)
を乾かした
背後
(
うしろ
)
から、子守がひょいと出て、ばたばたと駆けて
行
(
ゆ
)
く。大音寺前あたりで
飴
(
あめ
)
屋の
囃子
(
はやし
)
。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ちょうど、旦那があのお松という子をつれて
店前
(
みせさき
)
へおいでなすった時、お面をよく見覚えておきました」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「そう、」と極めてその意を得たという調子で、いそいそずッと出て、
店前
(
みせさき
)
の
地
(
つち
)
へ伝法に
屈
(
かが
)
んだのは、滝太郎である。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ことに
尾籠下品
(
びろうげひん
)
なのは、ある時、七人の手下と共に、ある商家を
強請
(
ゆすり
)
に行った時、金を貸さなければ
店前
(
みせさき
)
を汚すよといって、七人が七人、店前で尻をまくった。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
衣川
(
ころもがわ
)
で
噛
(
くい
)
しばった武蔵坊弁慶の奥歯のようなやつをせせりながら、
店前
(
みせさき
)
で、やた一きめていた処でございましてね。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とある
店前
(
みせさき
)
に
篝
(
かがり
)
を焚いて、その前で多数の雲助が「馬方
蕎麦
(
そば
)
」の大盤振舞にありついているところです。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「ははあ、幾ら俺が手下を廻すとって、まさかそれほどの事では交番へも
引張
(
ひっぱ
)
り出せないで、一名制服を着けて、
洋刀
(
サアベル
)
を
佩
(
お
)
びた奴を従えて
店前
(
みせさき
)
へ
喚
(
わめ
)
き込んだ。」
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これ見ろ、これはいま貴様の家の
店前
(
みせさき
)
で拾ったものじゃ、さあこれを見たら文句はあるまい
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
この
名残
(
なごり
)
であろう、枝に結えた
賽
(
さい
)
ころは一ツくるりと廻って、三が出て、柳の葉がほろりと落ちた、途端に高く脚をあげて、軍鶏は
店前
(
みせさき
)
をとッとッと
歩行
(
ある
)
き出した。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「誰でもございません、さきほど
店前
(
みせさき
)
で追っ払いを食いました百姓で……」
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
実は、コトコトとその駒下駄の音を立てて
店前
(
みせさき
)
へ近づくのに、
細
(
ほっそ
)
り
捌
(
さば
)
いた褄から、
山茶花
(
さざんか
)
の模様のちらちらと咲くのが、早く茶の間口から若い女房の目には映ったのであった。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
威勢よく
店前
(
みせさき
)
へ着いた一
挺
(
ちょう
)
の
駕籠
(
かご
)
、
垂
(
たれ
)
を上げると一人の女。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
麻の
法衣
(
ころも
)
で、ごそごそと通掛ると、その足袋屋の小僧の、
店前
(
みせさき
)
へ水を打っていた奴、
太粗雑
(
いけぞんざい
)
だから、ざっと
刎
(
は
)
ねて、坊さんが
穿
(
は
)
きたての新しい白足袋を泥だらけにしたんだとね。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小股
(
こまた
)
の切れ上った女が、小風呂敷を抱えて
店前
(
みせさき
)
に立って
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
隣のおでん屋の屋台が、軒下から三分が一ばかり
此方
(
こなた
)
の
店前
(
みせさき
)
を
掠
(
かす
)
めた蔭に、
古布子
(
ふるぬのこ
)
で
平胡坐
(
ひらあぐら
)
、
継
(
つぎ
)
はぎの膝かけを深うして、あわれ泰山崩るるといえども一髪動かざるべき身の構え。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
店前
(
みせさき
)
へ廻ると、「いい話がある、内証だ。」といきなり女房を茶の間へ連込むと、長火鉢の向うへ坐るか坐らないに、「
達引
(
たてひ
)
けよや。」と身構えた。「ありませんわ。」
極
(
きま
)
ってら。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
渠等
(
かれら
)
は
己
(
おのれ
)
を
拒
(
こば
)
みたる
者
(
もの
)
の
店前
(
みせさき
)
に
集
(
あつま
)
り、
或
(
あるひ
)
は
戸口
(
とぐち
)
に
立並
(
たちなら
)
び、
御繁昌
(
ごはんじやう
)
の
旦那
(
だんな
)
吝
(
けち
)
にして
食
(
しよく
)
を
與
(
あた
)
へず、
餓
(
う
)
ゑて
食
(
くら
)
ふものの
何
(
なに
)
なるかを
見
(
み
)
よ、と
叫
(
さけ
)
びて、
袂
(
たもと
)
を
深
(
さ
)
ぐれば
畝々
(
うね/\
)
と
這出
(
はひい
)
づる
蛇
(
くちなは
)
を
掴
(
つか
)
みて
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
店前
(
みせさき
)
の
縁側
(
えんがは
)
、
壁
(
かべ
)
に
立掛
(
たてか
)
けてあつた
奴
(
やつ
)
を、
元二
(
げんじ
)
が
自分
(
じぶん
)
で
据直
(
すゑなほ
)
して、
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
ける。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
フト立留まって、この
茅家
(
あばらや
)
を
覗
(
なが
)
めた夫人が、何と思ったか、主税と入違いに小戻りして、
洋傘
(
ひがさ
)
を袖の下へ
横
(
よこた
)
えると、惜げもなく、髪で、
件
(
くだん
)
の暖簾を分けて、隣の紺屋の
店前
(
みせさき
)
へ顔を入れた。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
店前
(
みせさき
)
だの、小僧が
門口
(
かどぐち
)
を掃いている
処
(
ところ
)
だと申しますのが、何んだか
懐
(
なつか
)
しい、両親の事や、生れました処なんぞ、昔が思い出されまして、
身体
(
からだ
)
を煮られるような心持がして我慢が出来ないで
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
煙管
(
きせる
)
を逆に吹口でぴたり
戸外
(
おもて
)
を指して、ニヤリと笑ったのが目に附くと同時に、四五人
店前
(
みせさき
)
を塞いだ書生が、こなたを見向いて、八の字が崩れ、九の字が分れたかと一同に立騒いで、よう
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お孝は
黒繻子
(
くろじゅす
)
の襟、雪の
膚
(
はだ
)
、冷たそうな
寝衣
(
ねまき
)
の
装
(
なり
)
で、裾を
曳
(
ひ
)
いて、
階子段
(
はしごだん
)
をするすると下りると、そこに
店前
(
みせさき
)
の
三和土
(
たたき
)
にすっくと立った巡査に、ちょっと目礼をして、長火鉢の横手の
扉
(
ひらき
)
を
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
店
常用漢字
小2
部首:⼴
8画
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
“店”で始まる語句
店
店頭
店者
店賃
店子
店先
店舗
店立
店屋
店借