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店先
「さあ、
好きなものをお
買いなさい。」と、お
菓子屋の
店先で、どこかのお
母さんが、やさしく
子供にいっていられるのもあります。
若い
頃の自分には
親代々の
薄暗い質屋の
店先に
坐つて
麗かな春の日を
外に働きくらすのが、いかに
辛くいかに
情なかつたであらう。
停車場を出ると大きな
珈琲店が幾つも並んで
店先の椅子に
男女の客が満ちて居る。耳に聞く言葉は
凡て
仏蘭西語である。
小巴里と
謂はれる首府
丈あつて自分は
巴里に帰つた様な気安さを感じた。