“珈琲店”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
カフェー12.5%
コーヒーてん12.5%
カフエ10.7%
コオフィイてん8.9%
カツフエ7.1%
かふえ5.4%
キヤツフエ5.4%
カッフェ5.4%
カフエー5.4%
カフェ5.4%
コオヒイてん5.4%
カッフェー3.6%
コオフイイてん3.6%
かひいてん1.8%
カツフエエ1.8%
カツフヱ1.8%
カフエエ1.8%
キヤツフエエ1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「イギリスの家庭の美風は、お茶時ティータイムで維持されている」「フランス人の機智は、珈琲店カフェー(日本のカフェーとは違います)で培養される」
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
往来ゆききの人もまれであった。向うの産科病院の門、珈琲店コーヒーてん、それから柳博士や千村教授がしばらく泊っていた旅館の窓、何もかも眼にみた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ここは食店レストラン珈琲店カフエである。彼等は、“Lacrimaeラクリメエ Christiクリスチ”(聖涙酒せいるゐしゆ)といふ酒を飲まうといふのである。
ヴエスヴイオ山 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
珈琲店コオフィイてんで、一人ぼっちでいるなんて。お負けにクリスマスの晩だのに。わたしパリイにいた時、婚礼をした連中が料理店に這入はいっていたのを見たことがあるのよ。
馴染の酒店バア珈琲店カツフエは派手な百貨店デパアトメント・ストアと一緒にワルツでも踊るやうに陽気に頭の中を過ぎて往つたが、教会らしいものの影は見えなかつた。
松間の かくされた 追憶の 夢の中の珈琲店かふえである。
蝶を夢む (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
自分は沢山たくさんの石段を降りる快さなどを思つて見た。急に明るいクリツシイどほりに出てきつけの珈琲店キヤツフエはひつてくことも思つて見た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
その空が全く暗くなった頃、彼はその通りのある珈琲店カッフェで、食後の林檎りんごいていた。彼の前には硝子ガラスの一輪挿しに、百合ゆりの造花が挿してあった。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
珈琲店カフエーや歯医者を忘れる分には差支さしつかへないが、細君と丸善とだけは何時迄も覚えてゐて貰ひたい。彼等は学校教師にとつての二大人格だから。そしてついでに蚤もまた。
精々珈琲店カフェへ寄るぐらいであった。酒も煙草たばこめてしまった。で、珈琲店では曹達ソウダ水を飲んだ。
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
人生は生命を銭の代りに払ふ珈琲店コオヒイてんと同じでありますから、いろいろのものが味はへれば、それに越した幸福はありません。
文芸鑑賞講座 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
次の日われサンジェルマンの四ツ角なる珈琲店カッフェーパンテオンにて手紙書きてゐたりしに、向側なる卓子テイブル二人ににんの同胞あり。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
石の階段を登つた上に、葉の茂つた木に蔽はれて、小さいトルコの珈琲店コオフイイてんがある。そこで上等の珈琲を飲み、の高い紙巻烟草を燻らせながら、噴水の音を聞いて涼むことが出来る。
不可説 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
何故其様に遅かッたでしょう倉「はい私しも少し遅過ると思いましたから問いましたがある珈琲店かひいてんへ寄り麦酒ばくしゅを ...
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
赤く白くおもてを塗りて、赫然かくぜんたる色の衣をまとひ、珈琲店カツフエエに坐して客ををみなを見ては、往きてこれに就かん勇気なく、高き帽を戴き、眼鏡に鼻を挾ませて
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ロオランスの出るジユリヤンの画室アトリエの前にある珈琲店カフエエで皆𤍠い珈琲カフエエ麺麭パンとを取つてやす朝飯あさめしを腰も掛けずにすませた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
僕は夕飯ゆふめし後によく有名な「リラの庭」と云ふラタン区のキヤツフエエへく。僕より一月ひとつき早く来て巴里パリイ珈琲店キヤツフエエつうに成つて仕舞しまつた九里くり四郎が初めれて行つてれたのだ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)