珈琲店カッフェ)” の例文
その空が全く暗くなった頃、彼はその通りのある珈琲店カッフェで、食後の林檎りんごいていた。彼の前には硝子ガラスの一輪挿しに、百合ゆりの造花が挿してあった。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
『遊びあるいていたのです、競馬場へ入ったり、珈琲店カッフェ舞踏場おどりごやへ入り浸っていたのです』
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
と、大井は驚いた視線を挙げて、煙草の煙の立ちこめている珈琲店カッフェの中を見廻したが、すぐに俊助の顔を見つけると
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「僕はボヘミヤンだ。君のようなエピキュリアンじゃない。到る処の珈琲店カッフェ酒場バア、ないしはくだって縄暖簾なわのれんたぐいまで、ことごとく僕の御馴染おなじみなんだ。」
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
村上は返事をする前に、ある珈琲店カッフェ硝子扉ガラスどを押した。そうして往来の見える卓子テーブルに私と向い合って腰を下した。
妙な話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)