珈琲店カフェー)” の例文
「イギリスの家庭の美風は、お茶時ティータイムで維持されている」「フランス人の機智は、珈琲店カフェー(日本のカフェーとは違います)で培養される」
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
かう思つて、わたしはすぐそばにある小さい珈琲店カフェー硝子戸がらすどをあけて這入はいつた。場合が場合であるから、どんなうちでもかまはない。
赤い杭 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
途中で珈琲店カフェーに立ち寄って朝食をした。彼はその自尊心にもかかわらず、フランス語を話す機会を少しも失うまいと心がけた。
何処どこ珈琲店カフェーにもある焦茶こげちゃの薄絹を張った、細い煤竹すすだけの骨の、とばり対立ついたてとを折衷したものが、外の出入りの目かくしになって、四鉢ばかりの檜葉ひばまきの鉢植えが
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
途中で歩き草臥くたびれて一、二度珈琲店カフェーへ寄ったような気もすれば、そうでなかったような気もしていた。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
その物腰をみるとチョット珈琲店カフェーの女給さんみたいな気がして、手が握りたくなったが止した。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
玄人くろうとの女をよく知ってる人で……そうじゃありませんか、盛岡のことだって、またその後のことだって、考えてごらんなさいな……そういう人で、相手が芸者だの……珈琲店カフェーの女だのの場合に
野ざらし (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
彼は朝から物を食べていなかった。一歩ごとに珈琲店カフェーへ出会ったが、中に立て込んでる群集を見ては、気後きおくれがし嫌な心地になった。彼は巡査に尋ねかけた。
巴里へ行きますと、沢山ある珈琲店カフェーで、香り高い珈琲コーヒーのコップを前に控え、人々はひと息、息を入れています。珈琲の容器いれものが柄の付いた縦に細長いシークなコップで、それに吸管ストローをつけて来ます。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)