珈琲店キヤツフエ)” の例文
自分は沢山たくさんの石段を降りる快さなどを思つて見た。急に明るいクリツシイどほりに出てきつけの珈琲店キヤツフエはひつてくことも思つて見た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
『僕の細君を珈琲店キヤツフエから追ひ帰しても仕方のないわけだね。』
午後 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
思はずこの女と語り更かしたので三番目のグラン・キヤツフエをうた時は十二時近くであつた。この珈琲店キヤツフエの建築は最も古雅に出来て居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
巴里パリイしばらく慣れて居た者が倫敦ロンドンに来て不便を感じるのは、悠悠いういう店前テラスの卓に構へる事の出来る珈琲店キヤツフエまつたく無いのと、食物しよくもつ不味まづいのとである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
ダンヌンチヨがさきの週に或珈琲店キヤツフエで或女優に言つた話があるの。女優は若い女で小説家に惚れて居るんです。
素描 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
それに次の RENDEZ-VOUS は明日の火曜日の晩に別々にポルト・サン・マルタン座を観たあとで芝居の近所の珈琲店キヤツフエで待ち合せる約束であつた。おれは戸を開けた。
素描 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)