“食物”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たべもの30.6%
くいもの28.8%
しょくもつ16.5%
しよくもつ11.8%
くひもの7.1%
もの1.8%
かて1.2%
をしもの1.2%
くいもな0.6%
たべもつ0.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
で、よく訳を訊いて見ると、食物たべものが咽喉を通らないといふのは、実際通らないのではなく、通すべき食物たべものが無いのだといふ事が判つた。
食物たべものききらいをいう、というよりは、あれもいや、これもいや、のべつに「いや、いや」とばかり、一雄はいいつづけていました。
祖母 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
だから人情は人の食物くいものだ。米や肉が人に必要物なる如く親子や男女なんにょや朋友の情は人の心の食物だ。これは比喩ひゆでなく事実である。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
棚曝たなざらしになった聖賢の伝記、読み捨てられた物語、獄中の日誌、世に忘れられた詩歌もあれば、酒と女と食物くいものとの手引草もある。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
と、一行は尻をたたいてこのを出たが、婆さん一向いっこう平気なもの、振向いてもみない。食物しょくもつ本位の宿屋ではなかったと見える。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
ねえきみ病院びょういんはまだ比較的ひかくてき食物しょくもつはよし、看護婦かんごふはいる、エウゲニイ、フェオドロイチもいる。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
食物しよくもつのこりをいけうを投與とうよして、かるくし、ふたゝ幼女えうぢよ背負せおひて
食物しよくもつはる樹木じゆもく若芽わかめるとこのんでべ、またしるおほくさべますが
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
食物くひものからもえところを、ウム、さいはかべが少し破れてる、うやつて火箸ひばしツついて、ブツ
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ひとしくへだたり等しくいざなふ二の食物くひものの間にては、自由の人、その一をも齒に觸れざるさきにゑて死すべし 一—三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
茶をついでやったり、お重箱じゅう食物ものを出して与えたりしましたが、お粂がもてなせばもてなしてやる程、次郎はもじもじして、いつもの野趣の風がない。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「意外にみな元気だな。山上にもやっと木の芽や草がえてきたし、もう病人に与える青い食物ものにも事欠くまい」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
旦暮あけくれ小屋にのみ入りて、与ふる食物かて果敢々々敷はかばかしくくらはず。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
ああ神様…………私たち二人は、こんな苛責くるしみに会いながら、病気一つせずに、日にし丸々と肥って、康強すこやかに、美しくそだって行くのです、この島の清らかな風と、水と、豊穣ゆたか食物かてと、美しい、楽しい、花と鳥とに護られて…………。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
くらふ間のあぢはひのみか食物をしものは生きなんためか心して食へ
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
また食物をしもの大氣都比賣おほげつひめの神に乞ひたまひき。
食物くいもなア大変八釜やかましい、鰹節かつぶしなどを山の様に掻いて、煮汁にしるを取って、あとは勿体ないと云うのに打棄うっちゃって仕まうだ、己淋しくねえように、行って三味線弾いては踊りを踊ったり何かするのだがね彼処あすこは淋しい土手下で
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
丁度此時分此女が少し病気で、いとゞ不自由の中を十日ばかりも寝て居りましたから、母は折々私をつれてこの女を見舞ひ、私は母にまうしつけられて毎日のやうに参つて食物たべもつなども運んでやり升た。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)