“食物”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たべもの29.4%
くいもの28.9%
しょくもつ17.2%
しよくもつ12.2%
くひもの7.2%
もの1.7%
かて1.1%
をしもの1.1%
くいもな0.6%
たべもつ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
猩々はまた黙つて小娘のお喋舌しやべりに耳を傾けてゐたが、暫くすると、娘をいたはるやうに手に持つた食物たべもの破片かけらをそつと呉れてやつた。
家の惣菜そうざいなら不味くても好いが、余所よそへ喰べに行くのは贅沢ぜいたくだから選択えりごのみをするのが当然であるというのが緑雨の食物くいもの哲学であった。
斎藤緑雨 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
まだ二三日は命がつながれようというもの、それそれ生理せいり心得草こころえぐさに、水さえあらば食物しょくもつなくとも人はく一週間以上くべしとあった。
しからば如何いかなる種類しゆるゐ食物しよくもつ適當てきたうであるかと具體的ぐたいてき實際問題じつさいもんだいになると、その解決かいけつはなは面倒めんだうになる。熱國ねつこく寒國かんこくではしよく適否てきひちがふ。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
かの小さき溪のかこひなきところに一の蛇ゐたり、こは昔エーヴァににが食物くひものを與へしものとおそらくは相似たりしなるべし 九七—九九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「意外にみな元気だな。山上にもやっと木の芽や草がえてきたし、もう病人に与える青い食物ものにも事欠くまい」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いやとよ大王。大王もしまこと空腹ものほしくて、食物かてを求め給ふならば、やつがれ好き獲物をまいらせん」「なに好き獲物とや。……そは何処いずこに持来りしぞ」
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
くらふ間のあぢはひのみか食物をしものは生きなんためか心して食へ
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
食物くいものア江戸口で、おめえ塩の甘たっけえのを、江戸では斯う云ううめもん喰って居るからって、食物くいもなア大変八釜やかましい、鰹節かつぶしなどを山の様に掻いて、煮汁にしるを取って
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
丁度此時分此女が少し病気で、いとゞ不自由の中を十日ばかりも寝て居りましたから、母は折々私をつれてこの女を見舞ひ、私は母にまうしつけられて毎日のやうに参つて食物たべもつなども運んでやり升た。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)