珈琲店カフエ)” の例文
ここは食店レストラン珈琲店カフエである。彼等は、“Lacrimaeラクリメエ Christiクリスチ”(聖涙酒せいるゐしゆ)といふ酒を飲まうといふのである。
ヴエスヴイオ山 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
芽の大きくなつた並木の MARRONNIER は、軒並みに並んでゐる珈琲店カフエの明りで梢の方からさかしまに照されて、紫がかつた灰色に果しも無く列つてみえる。
珈琲店より (新字旧仮名) / 高村光太郎(著)
一度などは、浅草の何とかいふ珈琲店カフエにラヂオがあるといふので、わざわざ詩人の多田不二君と聴きに行つた。前の南天堂の二階へも、ラヂオをきく目的で紅茶をのみに行つた。
ラヂオ漫談 (新字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
珈琲店カフエにまた
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
二人は近くの珈琲店カフエで簡単に朝食を済まし、日本媼のところに止宿してゐる二人の同胞と故郷のことを話合つた。
日本大地震 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
ぱつと一段明るい珈琲店カフエの前に来たら、渦の中へ巻き込まれる様にその姿がすつと消えた。気がついたら、僕も大きな珈琲店のすみの大理石のつくゑの前に腰をかけてゐた。
珈琲店より (新字旧仮名) / 高村光太郎(著)
珈琲店カフエの茶などを飮んでる始末だ。
定本青猫:01 定本青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
例の MONTMARTRE の珈琲店カフエで酒をのんで居る。此頃、僕の顔に非常な悲しみが潜んでゐるといつた君に、僕の一つの経験を話したくなつた。まあ読んでくれたまへ。
珈琲店より (新字旧仮名) / 高村光太郎(著)