“麦酒”のいろいろな読み方と例文
旧字:麥酒
読み方割合
ビール73.0%
ビイル14.3%
びーる4.0%
びいる2.4%
ばくしゅ1.6%
ビエエル0.8%
むぎさけ0.8%
むぎざけ0.8%
ビイヤ0.8%
ビヤー0.8%
ブラーガ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なんとなく心配しんぱいそうなかおで、左様々々さようさよう左様さよう、と、打湿うちしめってってるかとおもうと、やれヴォッカをせの、麦酒ビールめろのとすすめはじめる。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ミユンヘン麦酒ビイルの産地だけに大きな醸造ぢやうが幾つも有つての醸造ぢやうでも大きな樽からすぐ生麦酒なまビイルさかづきいで客に飲ませるのであるが
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
今の医者が胃拡張の病人に不消化物を禁じないで湯茶ゆちゃだの牛乳だのスープだの酒だの麦酒びーるだのと水分の多い飲料を禁じるのはそのためだ。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
二階で呼鈴が鳴ると、妻が白いエプロンをかけて、麦酒びいるを盆にのせて持て行くのです。私は階段下に居ます。妻が傍眼わきめに一寸私を見て、ずうと二階に上って行く。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
何故其様に遅かッたでしょう倉「はい私しも少し遅過ると思いましたから問いましたがある珈琲店かひいてんへ寄り麦酒ばくしゅを ...
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
酒は麦酒ビエエルの外に「シヤルト・リユウズ」、「コアント・ロオ」、「チユリツプ・セリ」の三種。ムネ・シユリイは孫にでも対する様に皆のさかづき一一いちいち楽しさうに手づから酒をいだ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
雷門に接近した並木には、門に向って左側に「山屋」という有名な酒屋があった(麦酒むぎさけ保命酒ほめいしゅのような諸国の銘酒なども売っていた)
「西洋酒といっても、そう上等な酒ではありません、といって下等というわけでもないです、上下おしなべて飲みます、ビールというやつで、麦の酒です、麦酒むぎざけです」
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
麦酒ビイル硝子杯コップ一呼吸ひといきに引いて、威勢よく卓子テエブルの上に置いた、愛吉は汚れた浴衣の腕まくりで、遠山金之助と、広小路の麦酒ビイヤホールの一方を領している。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
原稿料を手に入れた時だけ、急に下宿の飯を不味まずがって、晩飯には近所の西洋料理店レストーラントへ行き、髭の先に麦酒ビヤーの泡を着けて、万丈の気燄きえんを吐いていたのだから
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
見ろやい、豪気な若い衆ぢやねえか? あんなのあ、まつたく珍らしいや、火酒シウーハ麦酒ブラーガのやうにがぶがぶやりをるぜ!