“麗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うるわ24.4%
うらら19.7%
うら17.2%
うる12.2%
うるは6.8%
うららか6.1%
うらゝ4.3%
うつく1.8%
うらゝか1.1%
うるはし0.7%
うつ0.7%
れい0.7%
あて0.4%
あでや0.4%
あでやか0.4%
0.4%
0.4%
かか0.4%
かほよ0.4%
かゝ0.4%
くは0.4%
やさ0.4%
0.4%
ウル0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
阪神間は今が一番うるわしい時で、毎年のことですけれども、今時分になると私はいつも家の中にじっとしていられないようになります。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
かかる折から、柳、桜、緋桃ひもも小路こみちを、うららかな日にそっと通る、とかすみいろど日光ひざしうちに、何処どこともなく雛の影、人形の影が徜徉さまよう、……
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うららかなものうい春であった。その麗らかな自然の中で、相闘っている一方の人間が充分の余裕をもってその対策を考えているのだった。
仮装観桜会 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
中央には富嶽のうるわしい姿を中心に山脈があい連り、幾多の河川や湖沼がその間を縫い、下には模様のように平野の裳裾もすそが広がります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
これは意志いしぢゃ、おもんじておくりゃらば、顏色がんしょくうるはしうし、そのむづかしいかほめておくりゃれ。祝宴最中いはひもなか不似合ふにあひぢゃわい。
その樹の名木も、まだそっちこちに残っていてうららかに咲いたのが……こう目に見えるようで、それがまたいかにも寂しい。
絵本の春 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
若いころの自分には親代々おやだい/\薄暗うすぐらい質屋の店先みせさきすわつてうらゝかな春の日をよそに働きくらすのが、いかにつらくいかになさけなかつたであらう。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
うつくしいお方です。いやよしましょう、わしの半生がそうだったからあなた様にもそうなれとはおすすめできない。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このへんはもう春とつてもきたな鱗葺こけらぶき屋根やねの上にあかるく日があたつてゐるとふばかりで、沈滞ちんたいした堀割ほりわりの水がうらゝかな青空の色をのまゝに映してゐる曳舟通ひきふねどほり。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
正にこれ、はてしも知らぬ失恋の沙漠さばくは、濛々もうもうたる眼前に、うるはしき一望のミレエジは清絶の光を放ちて、はなはゆたかに、甚だあきらかに浮びたりと謂はざらん
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
うつくしき玳瑁たいまい
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
このおれいさんという娘は可なりの役を勤めていた士族の娘で、父親に先立たれて、五軒町の借屋に母親と一しょに住んでいる。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ことに四六佳婿むこがねあてなるをほの聞きて、我がも日をかぞへて待ちわぶる物を、今のよからぬことを聞くものならば、四七不慮すずろなる事をや仕出しいださん。
苦笑にがわらいをして、客の方がかえって気の毒になる位、別段腹も立てなければ愛想も尽かさず、ただ前町の呉服屋の若旦那が、婚礼というので、いでやかねての男振おとこぶり、玉も洗ってますますあでやかに
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あわせぢやけれどの、れた上衣うわぎよりはましでござろわいの、ぬしも分つてある、あでやかな娘のぢやで、お前様にちょういわ、其主そのぬしもまたの、お前様のやうな、わか綺麗きれいな人と寝たら本望ほんもうぢやろ、はゝはゝはゝ。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
樽野は、煮えくりかへる汚辱の大釜に投げ込まれて、望遠鏡を握り絞めたまゝ、らゝかな光りを含んで萌えたつてゐる青草の中に仰向態に悶絶した。
村のストア派 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
古へより父の仇を討ちし人、其のず擧て數へ難き中に、獨り曾我の兄弟のみ、今に至りて兒童婦女子迄も知らざる者の有らざるは、衆に秀でゝ、誠の篤き故也。
遺訓 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
白日 青天にかかる。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ここにあま日高日子番ひこひこほ邇邇藝ににぎの命、笠紗かささ御前みさきに、かほよ美人をとめに遇ひたまひき。
飛簷ひえん傑閣隙間なく立ち並びて、そのくもりなきこと珠玉の如く、その光あること金銀の如く、紫雲棚引き星月かゝれり。にこの一幅の畫圖の美しさは、譬へば長虹をちてこれをいろどりたる如し。
くはを ありとこして
溌溂はつらつたる令嬢、やさしい若奥様、四、五人づれでしゃべってゆく女学生、どこかで逢ったことのある女給、急ぎ足のダンサーなどと、どっちを向いても薔薇ばらの花園に踏みこんでいるような気がした。
流線間諜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
また或時、天皇すめらみこと遊行しつつ美和河に到りませる時に河の辺に衣洗ふ童女あり、其容姿甚だかりき。天皇その童女に、汝は誰が子ぞと問はしければ、おのが名は引田部の赤猪子あかゐことまをすと答白まをしき。
枕物狂 (新字旧仮名) / 川田順(著)
爾に𧏛貝比売きさげこがして、蛤貝比売水を持ちて、母乳汁オモノチシルを塗りしかば、ウルわしき壮夫オトコに成りて出遊行イデアルキき。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)