“垠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はずれ44.4%
はてし22.2%
さかひ11.1%
はず11.1%
はて11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
S——町のはずれを流れている川をさかのぼって、重なり合った幾箇いくつかの山裾やますそ辿たどって行くと、じきにその温泉場の白壁やむねが目についた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
正にこれ、はてしも知らぬ失恋の沙漠さばくは、濛々もうもうたる眼前に、うるはしき一望のミレエジは清絶の光を放ちて、はなはゆたかに、甚だあきらかに浮びたりと謂はざらん
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
蒼々あを/\した山松や、白百合の花の咲乱れた丘や、畑地ばかりであつた。そして思つたより早く、いつか町のさかひへ出て来てゐるのに気がついた。
或売笑婦の話 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
旅館は新宿のカフエ街のはずれの細かい小路にあったが、いつか一度泊まったこともあるので、すぐ円タクを手前まで乗りつけることができたが、車をおりて前まで歩いて行くと
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
紙漉橋の袂に鉄砲垣を折りめぐらして、生節なまぶしの冠木を見越しの雑裁うえごみ林樾こずえを深く(中略)春は塀外の桜、庭もに散り込みて、打延る両岸の枝頭の色は大曲のはてまで一目に残余なごり無く
巣鴨菊 (新字旧仮名) / 正岡容(著)