“濛々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もうもう91.5%
もう/\7.3%
そう/\0.4%
まう/\0.4%
もやもや0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
濛々もうもうとこめる戦雲と朝霧に明けて、夜もすがら戦い通した籠城の兵に、ふたたび飢餓きがと、炎暑と、重い疲労が思い出された朝の一瞬ひととき
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それむかぎしいたとおもふと、四邊あたりまた濛々もう/\そらいろすこ赤味あかみびて、ことくろずんだ水面すゐめんに、五六にん氣勢けはひがする、さゝやくのがきこえた。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
黄塵くわうぢん濛々そう/\々として、日光さへばむで見える大都たいとの空に、是が二百まんの人間を活動させる原動げんどう力かと思はれる煤煙はいえんが毒々しくツ黒に噴出し
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
此の須原は花漬トロヽ汁の名物なり翌朝鰻のブツ/\切の馳走になり一陶いつたうの勇氣をかりて車にて出づ細雨濛々まう/\たれど景色を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
濛々もやもやした濃い水蒸気のなかに、淋しげな電燈のつきはじめるころに、今つけて行った体温表などを眺めていた浅井は、静子に別れを告げて、そっと室を出て行った。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)