“はてし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
際涯30.6%
27.8%
13.9%
際限11.1%
5.6%
涯知2.8%
果知2.8%
2.8%
2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
際涯はてしのない暗闇の中に、私達の細長い車室けが、たった一つの世界の様に、いつまでもいつまでも、ガタンガタンと動いて行った。
押絵と旅する男 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その中の一つには、人間ひと背丈せいの三倍もあるやうな高さの綿花わたの木が見渡す限りはてしもなく繁つてゐる図があつた。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
姨捨山の月霜にして、はてしなき谷の、暗きもやの底に、千曲川は水晶の珠数の乱るるごとく流れたのである。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
人間と人間との特殊な交渉より外には何物もないせまくて窮屈な小い部屋のなかに住みなれて来た彼女に取つては、際限はてしもない青空を仰ぐことすらが、限りない驚異でもあり喜悦でもあつたが
或売笑婦の話 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
をんな節操せつそうことにくれいことこひあいことをんなは二度目どめこひ持得もちうるかとことをんな最初さいしよこひわするかとことなど、れかられへとちからにもおよばぬ問題もんだいはてしなくわたしくるしめる。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
涯知はてしれぬ田野、人も通わぬ密林、広大なる漁場、製材工場、鰹節かつおぶし工場、各種の鑵詰かんづめ工場、其他半ば菰田家の投資になる様々の事業を巡視して、今更らながら
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ほの白く照し出すに過ぎなくて、その彼方かなたには地獄の闇が、涯知はてしらず続いているのです。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
この異様なる海底旅行によって、千代子の心は、人間界の常套を逃れ、いつしか果知はてしらぬ無幻の境をさまよい始めていました。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
底なきふち。影なき日輪。はてしなき渦巻。
はてし無き津輕灘
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)