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涯
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はてし
ふりがな文庫
“
涯
(
はてし
)” の例文
が、女は默りこくつたまま
涯
(
はてし
)
ない階段を昇りでもするやうに、振り向きもせずに一段、一段を辿つて行くのであつた。
ハルピンの一夜
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
その中の一つには、
人間
(
ひと
)
の
背丈
(
せい
)
の三倍もあるやうな高さの
綿花
(
わた
)
の木が見渡す限り
涯
(
はてし
)
もなく繁つてゐる図があつた。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
人の顔の赤く描き出された背後には、
闃寂
(
げきせき
)
たる寒夜の闇が
涯
(
はてし
)
なく横わっている。平凡なようで力強い句である。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
要するに、我々が
涯
(
はてし
)
ない海の無限なる郷愁や沙漠の大いなる落日を思い、石庭の与える感動がそれに及ばざる時には、遠慮なく石庭を黙殺すればいいのである。
日本文化私観
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
藤村も
宗祇
(
そうぎ
)
や芭蕉と同じように自庵では死なないで、ずっと広い世界に
涯
(
はてし
)
ない旅をつづけている、死んで永遠に生きるのである。それをおもえばよい死かたをしたものと、
羨
(
うらやま
)
しくもある。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
▼ もっと見る
吉は真暗な
涯
(
はてし
)
のない野の中で、口が耳まで裂けた大きな顔に笑われた。
笑われた子
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
金蔵の思い出はそれからそれと
涯
(
はてし
)
もありません。
銭形平次捕物控:049 招く骸骨
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
波浪の上を
涯
(
はてし
)
なき大地の上を翔くるもの——
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
その砂丘に足を投げ出して
涯
(
はてし
)
ない海の暗い沖の方に眺め入つたり、また
仰向
(
あふむ
)
きに寢ころんで眼もはるかな
蒼穹
(
さうきう
)
に見詰め入つたりしながらも、私はほんとに頭を休める
譯
(
わけ
)
には行かなかつた。
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
見渡すかぎり
涯
(
はてし
)
なく続くこの耕原の中には、
濛々
(
もうもう
)
と吐き出すただ一本の煙突の形さえも見出されない。どこまでも澄み切って静かである。あゝ、伝習の静けさ、眠りの静けさ、実に堪えられぬ退屈だ。
田舎医師の子
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
“涯(無頼伝涯)”の解説
『無頼伝 涯』(ぶらいでん がい)は、福本伸行による日本の漫画作品。
(出典:Wikipedia)
涯
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“涯”を含む語句
生涯
際涯
境涯
一生涯
天涯
山間水涯
公生涯
全生涯
李西涯
東涯
無際涯
見涯
蒼涯
清涯亭
無涯
前生涯
狩野芳涯
冒険生涯
生涯唯一
生涯蟄居
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