“全生涯”の読み方と例文
読み方割合
ぜんしょうがい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すべては再び深淵しんえんの中に消えてしまった。前途には何物も認められなかった。全生涯ぜんしょうがいやみの中に陥って、彼はただ手さぐりに彷徨ほうこうした。
今のとしになるまで全生涯ぜんしょうがいの大半を暗いこの世界で過して来たというこの老人は、もう何事もあきらめているのであろうか、言葉少なにいつも笑っているような顔であった。
(新字新仮名) / 島木健作(著)
弟の注意で「悲愴交響曲パセティック・シンフォニー」と命名し直したシンフォニー、これこそは、チャイコフスキーの全生涯ぜんしょうがいの総決算で、その自伝であると言われ、一方にはまたその救いのない絶望感のために
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)