“背丈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せたけ58.8%
せい27.2%
せた6.1%
せいたけ2.6%
ぜい2.6%
せいだけ0.9%
せだ0.9%
たけ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
背丈せたけは、愛子よりも少し高いやうに思つた。だが、顔は見せずじまひで主人の後により添うて向う側の出口から出て行つてしまつた。
蠣フライ (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
彼の背丈せいを埋めそうに麦が伸びて、青い穂が針のようにちかちかと光っていた。菜の花が放つ生温い香気が、彼をせ返らせそうにした。
田舎医師の子 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
巌がぐるりとえぐれて地の底深く陥窪おちくぼんだ処が脚下あしもとに見えた。李張は躊躇ちゅうちょせずにその巌窟いわあなへはいった。人の背丈せたけ位の穴がななめにできていた。
悪僧 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そこへ、これはどうしたことだ、一人の書生が、人の背丈せいたけ程もある、大きなワラ人形をかかえて入って来た。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「第一肩幅、体のこなし、そしてつかんだ腕のもろくもねじ得た事などが、あのウワ背丈ぜいがある敏活な曲者くせものとは、まるで手ごたえが相違しております」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みのるはこの娘のこゝまで成長して來たその背丈せいだけの蔭に、自分の變つた短い月日を繰り返して見て果敢ない思ひをしずにはゐられなかつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
小供の背丈せだけほどもある昼間見ると藜藿あかざのような草と粟粒あわつぶのような微紅うすあかい実をつけた草がぎっしり生えた住宅地の入口に、人の足によって通じた一条ひとすじの路がうっすらと微月うすづきの光に見えていた。
女の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
私が、一葉女史の「たけくらべ」をないしよで買ひもとめるのに、たけくらべ、竹くらべ、背丈たけくらべ、などと、ありつたけの當字あてじを書いて、探しにやつたのもそれからぢきのことであつた。
日本橋あたり (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)