“背広”のいろいろな読み方と例文
旧字:背廣
読み方割合
せびろ91.3%
スーツ8.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
七宝しっぽう夫婦釦めおとボタンなめらか淡紅色ときいろを緑の上に浮かして、華奢きゃしゃな金縁のなかに暖かく包まれている。背広せびろの地はひんの好い英吉利織イギリスおりである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
せつ目の終わりになったとき、背広せびろを着て、ラシャのぼうしをかぶった男が目にはいった。その男はわたしのほうへ歩いて来るらしかった。
どちらを見ても、腰までの黒のゴム長に亜麻油の黒い防水衣という地獄の大鴉レベンのような集団アーミーの中に、高尚ハイブロオ背広スーツで出来のいいワットオの絵というんだから穏やかではなかろう。
南部の鼻曲り (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ひとつには、あなたのそのスマートな背広スーツがいけないんです。絶対、着目される。
ノア (新字新仮名) / 久生十蘭(著)