“巌窟”のいろいろな読み方と例文
旧字:巖窟
読み方割合
がんくつ52.4%
いわや33.3%
いわあな4.8%
いはや4.8%
いわむろ4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
六六 同じ山の附馬牛よりの登り口にもまた安倍屋敷といふ巌窟がんくつあり。とにかく早池峰は安倍貞任にゆかりある山なり。
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)
それがまた非常に佳い景色のように感ぜらるるものですからもちろん山の形などは巌窟いわや禿山はげやまばかりで面白くも何ともないが
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
巌がぐるりとえぐれて地の底深く陥窪おちくぼんだ処が脚下あしもとに見えた。李張は躊躇ちゅうちょせずにその巌窟いわあなへはいった。人の背丈せたけ位の穴がななめにできていた。
悪僧 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
巌窟いはやなす岩戸、沙面すなも
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
紅蓮こうれん一茎ひとえだ白蓮華びゃくれんげの咲いた枯田かれたのへりに、何の草か、幻の露の秋草のあぜを前にして、崖の大巌おおいわに抱かれたように、巌窟いわむろこもったように、悄乎しょんぼりと一人、淡くたたずんだおんなを見ました。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)