“いわむろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イワムロ
語句割合
岩室54.5%
岩窟18.2%
巌室9.1%
巌窟9.1%
石窟9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「でも妾は慰められます。しぶきが舞い込み、しずくが落ちる、あの滝の裏の岩室いわむろの中で、五年もの間苦しまれた、お祖父様のことを思いますとねえ」
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この屋敷だ! ……この屋敷だとするとあの地獄は——地獄のように恐ろしく、地獄のようにむごたらしく、……〽まぐさの山や底無しの、川の中地の岩窟いわむろの……その地獄、その地獄は
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
女たちは更にかたわらの巌室いわむろを指さして教えた。
紅蓮こうれん一茎ひとえだ白蓮華びゃくれんげの咲いた枯田かれたのへりに、何の草か、幻の露の秋草のあぜを前にして、崖の大巌おおいわに抱かれたように、巌窟いわむろこもったように、悄乎しょんぼりと一人、淡くたたずんだおんなを見ました。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御嶽山おんたけさんへでも行った時、よく気をつけて見ていらっしゃい、石窟いわむろの閉めきったところで炭火をどんどん起してちぢかんでいると、心気しんきの弱いものは、たまにこんな死に方をする。
顎十郎捕物帳:06 三人目 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)