“いはむろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イハムロ
語句割合
岩窟41.7%
岩室16.7%
石室16.7%
巖室8.3%
石窟8.3%
8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
纔かにさす薄光りも、黒い巌石が皆吸ひとつたやうに、岩窟いはむろの中のものは見えなかつた。唯——けはひ、彼の人の探り歩くらしい空気の微動があつた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
日のうちも狭霧こもらふ水上みなかみは紅葉さしやき岩室いはむろ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
今むかへるや無辜の石室いはむろの囚人のやうに
展望 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
樂聲は我を引いて怪しき巖室いはむろの中に入りぬ。是れ温柔郷なり。一呼一吸戀にあらざることなし。忽ち裂帛れつぱくの聲あり。幕は開きたり。
昔エネエアスを戀人に逢せしサツルニアとヱヌスとをば、汝が上とこそ思へ。いざ我をあやしき巖室いはむろに誘はずや。われ。そは我身にはふさはしからぬ業なりと覺ゆ。
幼かりし日の事を語りて、地下の石窟いはむろに入りて路を失ひし話よりジエンツアノの花祭に老侯の馬車の我母を轢殺ひきころせし話に至りしときは、姫の驚一方ひとかたならざりき。
カプリの島なるいはむろに往け、アンジエロは富貴を獲べく、汝はトビアスの如く、(舊約全書を見よ)光明を獲べしと云ひぬ、醒めて後アンジエロに語れば、これも同じ夜に同じ夢を見き。