巖室いはむろ)” の例文
新字:巌室
樂聲は我を引いて怪しき巖室いはむろの中に入りぬ。是れ温柔郷なり。一呼一吸戀にあらざることなし。忽ち裂帛れつぱくの聲あり。幕は開きたり。
昔エネエアスを戀人に逢せしサツルニアとヱヌスとをば、汝が上とこそ思へ。いざ我をあやしき巖室いはむろに誘はずや。われ。そは我身にはふさはしからぬ業なりと覺ゆ。