“巖乗”の読み方と例文
新字:巌乗
読み方割合
がんじょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
切符は二等、行先は下田港しもだこう、行李をかついで、暗い桟橋さんばしを駈け、巖乗がんじょうな板の歩みを渡って、ハッチを入るか入らぬに、ボーッと出帆の汽笛でした。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
紫繻子の猿股が、もう一度優しく繰返くりかえした。色の黒い、くちびるの厚い、四十恰好かっこう巖乗がんじょうな男だ。
踊る一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
昔物の長持は堅い板の隅々すみずみ鉄板てついたをうちつけた、いやという程巖乗がんじょう代物しろものだし、金具も同様に堅牢けんろうに出来ているのだから、病身の格太郎には、とて打破うちやぶることなど出来そうもなかった。
お勢登場 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)