“がんじょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
頑丈51.0%
巌丈16.8%
巌乗9.2%
巌畳7.1%
岩畳4.1%
岩乗3.6%
厳丈2.0%
岩丈1.5%
巖乗1.5%
岸上1.0%
岩上0.5%
顔上0.5%
願成0.5%
願状0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
良平はひとりいらいらしながら、トロッコのまわりをまわって見た。トロッコには頑丈がんじょうな車台の板に、ねかえった泥がかわいていた。
トロッコ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
五十がらみの巌丈がんじょうな植幸、何となく一徹らしいのが、相手が相手だけに、不安な心持をおさえて、ソワソワと離屋の方へ案内して行きます。
その養子というのは、日にやけた色の赤黒い、巌乗がんじょうづくりの小造こづくりな男だっけ。何だか目の光る、ちときょときょとする、性急せっかちな人さ。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
出はいりなく平らに、層一層と列をととのえ、雲までとどかせるつもりの方尖碑オベリスク巌畳がんじょういしずえでもあるかのような観を呈した。
この建物は非常に古く、破風はふや、どっしりと瓦をのせた屋根や、大きな屋の棟や、岩畳がんじょうな入口は、かかる荘厳な住宅建築の典型的のものである。
入口のドアに走り寄って、鉄かと思われるほど岩乗がんじょうな、青塗の板の平面に、全力を挙げて衝突ぶつかってみた。暗い鍵穴を覗いてみた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
さて雪国の山家とて、けたうつばり厳丈がんじょうな本陣まがい、百年って石にはなっても、滅多に朽ちるうれいはない。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
笹村は比較的骨格の岩丈がんじょうな妻の体について、これまで病気を予想するようなことはめったになかった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
紫繻子の猿股が、もう一度優しく繰返くりかえした。色の黒い、くちびるの厚い、四十恰好かっこう巖乗がんじょうな男だ。
踊る一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ただ岸上がんじょうより望観ぼうかんする者にしてはじめてその精密せいみつなるおもむきを知るべし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
伊那丸いなまるをはじめ、忍剣にんけん龍太郎りゅうたろうも、また竹童ちくどうも、ひとしく松明たいまつえつきるのを忘れて、岩上がんじょうの文字をみつめ予言よげん意味いみをときなやんでしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
顔上がんじょうめんなく、面裡めんり人なしとでも申しましょうか、その面と人とが精神も肉身も合致合体、全く一つのものに化してしまって、さながらに厳然たる人格と心格を築き出します。
無表情の表情 (新字新仮名) / 上村松園(著)
で前の座では、捨身菩薩しゃしんぼさつ疾翔大力しっしょうたいりきと呼びあげるわけあい又、その願成がんじょう因縁いんねんをお話いたしたじゃが、次に爾迦夷るかいに告げていわくとある。爾迦夷というはこのとき我等と同様ふくろうじゃ。
二十六夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
清氏はこの志一を頼んで、吒祇尼天だぎにてん足利義詮あしかがよしあきら祈殺いのりころそうとの願状がんじょうを奉ったのである。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)