“跳”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
42.4%
おど24.3%
19.0%
をど6.1%
はね4.9%
はず0.8%
とび0.5%
ちょう0.3%
0.3%
あつら0.2%
てう0.2%
のさ0.2%
はづ0.2%
0.2%
をどり0.2%
ヲド0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただ、その証拠しょうこに、もはや、このオルガンの音色ねいろうみうえをころがっても、さかなが、波間なみまねるようなことはなかったのであります。
楽器の生命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
御所へ水を入れるところのせきの蔭から、物をも言わずおどり出でた三人の男がある。大業物おおわざものを手にして、かお身体からだも真黒で包んでいた。
ひらっと、人影は、縁をび下りた。するとどこかで彼の思わざる女の悲鳴がした。彼はおびえにふかれ、泳ぐがごとく逃げに逃げた。
そこで今此黒塀の内へ這入らうと、はつきり思つたときには、物を盗まうといふ意志も、一しよに意識の閾の上にをどり出たのである。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
そして嫁の寝ている胸の真上とおぼしきところまで、その足音が来たかと思う時、その死にひんした病人がはねえるように苦悶くもんし始めた。
白い光と上野の鐘 (新字新仮名) / 沼田一雅(著)
そんな冒険の、ハイカラな作風など、どうにも気はずかしくて、いやになった。一向に、気がはずまないのである。
八十八夜 (新字新仮名) / 太宰治(著)
彼女の、いま寝ているところは、先程までその学生達の三段とび競技場であったが、いまは彼女一人、のけもののように、ぺたんとその空地へ寝ているのである。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
彼が本丸の屋根によじれば、金吾もすばやく大屋根にのぼって、彼と十二、三間の間隔を、一ちょう、一歩にちぢめてゆく。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だから私も突っねたのさ。今時分そんな事を持ち出すのは、まるで自分の殺した子供を、もう一ぺん生かしてくれって、御寺様へ頼みに行くようなものだから御止およしなさいって。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
幸い月は隠れて、冷々ともやをこめた冷たい闇は、忍ぶ者にはあつらえたような晩です。
十字架観音 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
冒険ぼうけんなること上州人のく及ぶ所に非ずと云ふ、其方法に依ればくま銃撃じゆうげきして命中あやまり、熊逃走とうさうする時之を追駆つゐくすれば熊つひいかりて直立し、まさに一てうひとつかまんとす、此に於て短剱たんけんを以て之をつらぬ
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
そのていは……薄汚れた青竹の太杖ふとづえを突いて、破目やぶれめの目立つ、蒼黒い道服をちゃくに及んで、せい高うのさばって、天上から瞰下みおろしながら、ひしゃげた腹から野良声を振絞って、道教うる仙人のように見えた。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
頭の所爲せい天氣てんき加減かげんか、何時もは随分ずゐぶんよくかたる二人も、今日けふは些ツともはなしはづまぬ。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
かれ御毛沼の命は、波の穗をみて、常世の國に渡りまし、稻氷の命は、ははの國として、海原に入りましき。
是故に天堂を描く時、この聖なる詩は、行手ゆくての道のれたるを見る人のごとく、をどり越えざるをえざるなり 六一—六三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
皆討チ取ルシトテ、ヲドリ給フ。尾藤甚右衛門、戸田三郎四郎ナド、下ニテ聴テ、亭主ハいかう浮気ニ成リ給ヘリトテ、笑ヘリト也
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)