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ふりがな文庫
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(
は
)” の例文
ただ、その
証拠
(
しょうこ
)
に、もはや、このオルガンの
音色
(
ねいろ
)
が
海
(
うみ
)
の
上
(
うえ
)
をころがっても、
魚
(
さかな
)
が、
波間
(
なみま
)
に
跳
(
は
)
ねるようなことはなかったのであります。
楽器の生命
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それから、
跳
(
は
)
ね上がる。寝台の
鉄具
(
かなぐ
)
にぶつかる。
椅子
(
いす
)
にぶつかる。
暖炉
(
だんろ
)
にぶつかる。そこで彼は、勢いよく
焚口
(
たきぐち
)
の仕切り戸を
開
(
あ
)
ける。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
実生活の圧迫を逃れたわが心が、本来の自由に
跳
(
は
)
ね返って、むっちりとした余裕を得た時、
油然
(
ゆうぜん
)
と
漲
(
みな
)
ぎり浮かんだ
天来
(
てんらい
)
の
彩紋
(
さいもん
)
である。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
山母はこれはたいへんだと水がめから
跳
(
は
)
ね上がって外へ走り出ようとすると、踏み台のベゴの糞で
踏
(
ふ
)
ん
滑
(
ずら
)
のめってステンところんだ。
東奥異聞
(新字新仮名)
/
佐々木喜善
(著)
「うん、持っているとも」そういって大辻老は
腋
(
わき
)
の下へ手をやったが、うわーッと
一声
(
ひとこえ
)
、たちまち
跳
(
は
)
ね上った。「岩の足型がないッ」
地中魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
そのため、いまにも
地面
(
じめん
)
にさわりそうです。ズルスケはこのガンめがけて、思いきり高く
跳
(
は
)
ねあがりました。が、またまた
失敗
(
しっぱい
)
です。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
竹童はすばやく
跳
(
は
)
ねかえって、チャリン! とそれを引ッぱずした。が、それは
剣
(
けん
)
の法ではなく、いつも使いなれている
棒
(
ぼう
)
の
呼吸
(
いき
)
だ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
良平は
独
(
ひと
)
りいらいらしながら、トロッコのまわりをまわって見た。トロッコには
頑丈
(
がんじょう
)
な車台の板に、
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(
は
)
ねかえった泥が
乾
(
かわ
)
いていた。
トロッコ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
太い雨が
竿
(
さお
)
に
中
(
あた
)
る、水面は水煙を立てて雨が
跳
(
は
)
ねる、見あげると雨の足が山の絶頂から白い糸のように長く
条白
(
しま
)
を立てて落ちるのです。
女難
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
馬追ひは、或る夜、どこでどうしたのであるか、長い
跳
(
は
)
ねる脚の片方を失つて飛んで来た。長い触角の一本も短く折れてしまつてゐた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
蟻
(
あり
)
の性急な活動を、歩きながら踊ってるように見える足長
蜘蛛
(
ぐも
)
を、横っ飛びに
跳
(
は
)
ね回る
蝗
(
いなご
)
を、重々しいしかもせかせかした
甲虫
(
かぶとむし
)
を
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
いつやらの暴風に漁船が一艘
跳
(
は
)
ね上げられて、松林の松の
梢
(
こずゑ
)
に引つ
懸
(
かか
)
つてゐたといふ話のある此砂山には、土地のものは恐れて住まない。
妄想
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
跳
(
は
)
ね起きてみますと、それはさながらに外国の映画に出て来る名探偵じみた風采の男でした。年の頃は四十四、五でしたろうか。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
『リーン、リーン』小さな鉄のシャンデリアが、三、四十センチばかり
跳
(
は
)
ねあがりました。こうして、喜劇が始まることになったのです。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
腕をくるくるふりまわしながら飛んだり
跳
(
は
)
ねたり、ヘッピリ腰でのぞきこむかと思うと急に威勢よくコンチハと大きな声で戸をあけたり
二十七歳
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
あまりの猛勢にぜひなく
白刃
(
しらは
)
を抜いて、一刀の下に斬り捨てんと振りかざせば、その刃を飛びくぐって、
跳
(
は
)
ねつき、
唸
(
うな
)
りつける
凄
(
すさ
)
まじさ。
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
跳
(
は
)
ねかへさうとすれば、
母
(
はゝ
)
の
大
(
おほ
)
きな
肥
(
こえ
)
えた
體
(
からだ
)
が、
澤庵漬
(
たくあんづけ
)
のやうに細つこいあたしの上に乘つて、ピシヤンコにつぶしてしまふ。
お灸
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
だが、
忽
(
たちま
)
ち彼の笑声が
鎮
(
しず
)
まると、彼の腹は獣を入れた袋のように波打ち出した。彼はがばと
跳
(
は
)
ね返った。彼の片手は緞帳の
襞
(
ひだ
)
をひっ
攫
(
つか
)
んだ。
ナポレオンと田虫
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
そうかと思うと、ぽこんと
跳
(
は
)
ね上るように高く水の上に現われ出ました。何んだか
曲泳
(
きょくおよ
)
ぎでもしているのではないかと思われるほどでした。
溺れかけた兄妹
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
大将の鬼は
旦那座
(
だんなざ
)
から一足
飛
(
と
)
びに土間へ
跳
(
は
)
ね下りようとして、
囲炉裏
(
いろり
)
にかけた
自在鉤
(
じざいかぎ
)
に鼻の
穴
(
あな
)
を引っかけてしまった。すると
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
敵の艇は水を切って彼の眼前一町ほどのところを
鮮
(
あざや
)
かに漕いでゆく。三番がスプラッシュをして櫂で水を
跳
(
は
)
ね上げるのまではっきり見える。
競漕
(新字新仮名)
/
久米正雄
(著)
お友達のなかでいちばん背の高いあなたが、子供のように
跳
(
は
)
ねてゆくところを、ぼくは、
拍子抜
(
ひょうしぬ
)
けしたように、ぽかんと眺めていたのです。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
眼を開くと、われながら驚いたくらい、自分の身内に突然ある異常な精力の
汪溢
(
おういつ
)
するのを感じて、いちはやく
跳
(
は
)
ね起きて着換えを済ました。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
透き通って見える白い
帆布
(
ほぬの
)
の上を、動物とも人間とも見分けのつかぬ奇怪な黒影が、丸くなって、飛ぶがごとく
跳
(
は
)
ねるがごとく走って行く。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
床の間の掛軸が、バラ/\と吹き
捲
(
まく
)
られて、
跳
(
は
)
ね落ちると、ガタ/\と
烈
(
はげ
)
しい音がして、
鴨居
(
かもい
)
の額が落ちる、六曲の
金屏風
(
きんびょうぶ
)
が吹き倒される。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
錨を上げたり、下したりする度に、コンクリート・ミキサの中に投げ込まれたように、皆は
跳
(
は
)
ね上り、ぶッつかり合わなければならなかった。
蟹工船
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
「何んだ八、相變らずそゝつかしいぜ。いきなりドブ板を二枚
跳
(
は
)
ね返し、野良犬を蹴飛ばして格子を
外
(
はづ
)
すのは大した藝當だ」
銭形平次捕物控:295 万両息子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
始終
(
しゞゆう
)
氣
(
き
)
の
狂
(
くる
)
つたやうに
跳
(
は
)
ね
廻
(
まは
)
つて
居
(
ゐ
)
た二
疋
(
ひき
)
の
動物
(
どうぶつ
)
は、
極
(
きは
)
めて
悲
(
かな
)
しげにも
亦
(
また
)
靜
(
しづ
)
かに
再
(
ふたゝ
)
び
坐
(
すわ
)
り
込
(
こ
)
み、
愛
(
あい
)
ちやんの
方
(
はう
)
を
眺
(
なが
)
めました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
上ると
土砂降
(
どしゃぶ
)
りになった。庭の平たい
甕
(
かめ
)
の水を雨が乱れ撲って、無数の魚児の
噞喁
(
げんぎょう
)
する様に
跳
(
は
)
ね上って居たが、其れさえ最早見えなくなった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
小初は、
跳
(
は
)
ね
込
(
こ
)
み台の
櫓
(
やぐら
)
の上板に立ち上った。
腕
(
うで
)
を額に
翳
(
かざ
)
して、空の雲気を
見廻
(
みまわ
)
した。軽く
矩形
(
くけい
)
に
擡
(
もた
)
げた右の上側はココア色に
日焦
(
ひや
)
けしている。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ホラ大変!、母も武も驚ろいたことといつたら、
跳
(
は
)
ねるやら、
蹴
(
け
)
るやら、もがくやらで、四百
目
(
め
)
もある魚のことですから、舟も
揺
(
ゆる
)
ぐ
計
(
ばか
)
りでした。
鼻で鱒を釣つた話(実事)
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
ところが、
立派
(
りつぱ
)
な
光
(
ひかり
)
のあるはずの
鉢
(
はち
)
に
螢火
(
ほたるび
)
ほどの
光
(
ひかり
)
もないので、すぐに
註文
(
ちゆうもん
)
ちがひといつて
跳
(
は
)
ねつけられてしまひました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
「
頗
(
すこぶ
)
るよろしい」と
跳
(
は
)
ね起きてスリッパを
穿
(
は
)
き、寝間着をぎゅっと
掴
(
つか
)
みながら彼は答えた、「実によろしい。だがたった一つ、そらここが——」
紅い花
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
硫酸を浴びたものだから、苦しがって鳴きながら室中
跳
(
は
)
ね廻った。此物音に驚いて、森川さんは薬室の戸を明けた。猫は森川さんの顔に飛付いた。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
田舎政治家の
煽動
(
せんどう
)
演説におだてられて、中学生的無邪気の感激で
跳
(
は
)
ね廻るような文学は、何等の
叙事詩
(
エピック
)
でもなく
叙事詩的
(
エピカル
)
なものでもありはしない。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
裳
(
もすそ
)
を乱して一旦は倒れたが又
忽
(
たちま
)
ち
跳
(
は
)
ね起きて、
脱兎
(
だっと
)
の如くに表へ逃げ出そうとするのを、𤢖は飛び
蒐
(
かか
)
って又
引据
(
ひきす
)
えた。お葉も
既
(
も
)
う見ては
居
(
い
)
られぬ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
四
斗樽
(
とだる
)
には
濁
(
にご
)
つたやうな
甘酒
(
あまざけ
)
がだぶ/\と
動
(
うご
)
いて
居
(
ゐ
)
る。
神官
(
しんくわん
)
の
白
(
しろ
)
い
指貫
(
さしぬき
)
の
袴
(
はかま
)
には
泥
(
どろ
)
の
跳
(
は
)
ねた
趾
(
あと
)
も
見
(
み
)
えて
隨分
(
ずゐぶん
)
汚
(
よご
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
私たちの店は今も申す通り、大きい店の袖にあった
跳
(
は
)
ね出しの店です。この方が
割方
(
わりかた
)
安くてかえって都合がよろしい。
幕末維新懐古談:42 熊手を拵えて売ったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
異常の恐怖に襲われて、われはあわてて
跳
(
は
)
ね起きつつモルガンの走り行きたる方角を打ち見やれば、ああ、二度とは見まじき怖ろしの有様なりしよ。
世界怪談名作集:04 妖物
(新字新仮名)
/
アンブローズ・ビアス
(著)
誰
憚
(
はばか
)
らず声を放つて泣きたりしが、
忽
(
たちま
)
ちガパと
跳
(
は
)
ね起きつ、足を踏みしめ、手を振つて、天地も動けと、呼ばはりぬ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
善の皮肉に
蔵
(
かく
)
れたる至悪の
跳
(
は
)
ね起るが如き電光一閃の妙変に至りては、極めて趣致あるところ、極めて観易からざるところ、達士も往々この境に惑ふ。
心機妙変を論ず
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
その網の中には、きらきらと光りながら
跳
(
は
)
ねているのでそれと分るような、小さな魚が二三匹ひっかかっていた……
三つの挿話
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
すなわち仲間の大勢とともにみんなのする通りに飛び
跳
(
は
)
ねまた歌っているということが、まず大きな楽しみであり心強さであった期間が
暫
(
しば
)
らくつづき
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
朝早いうちははだしではたらき、彫刻家のように、露の多い、ぼろぼろこぼれる砂を
跳
(
は
)
ねかした。しかし時刻がうつるにつれて日はわたしの足を焼いた。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
自分が
舵
(
かじ
)
とって漕ぎ回り小さな魚が銀色に光ってボートのなかに
跳
(
は
)
ねていくつとはなし入ってくるのを眺めているときはどんなに平和な静かな心だろう。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
撲たれて既に死に臨むにおよびて
絆
(
きづな
)
はなれし牡牛の歩む能はずしてかなたこなたに
跳
(
は
)
ぬることあり 二二—二四
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
そしてそう思ってみると、ぴんと
口髯
(
くちひげ
)
の上へ
跳
(
は
)
ねたこのドクトルの、型で押し出したような顔のどこかに、
梢家
(
こずえけ
)
の血統らしい面影も
見脱
(
みのが
)
せないのであった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
芝居が
跳
(
は
)
ねると、その辺まで歩こうじゃありませんか、と御牧が云い出して、尾張町の方へ六人がつながって行く
途々
(
みちみち
)
、幸子と二人少し離れて歩きながら
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「なあに
心配
(
しんぱい
)
ありません。どうせチュウリップ
酒
(
しゅ
)
の中の
景色
(
けしき
)
です。いくら
跳
(
は
)
ねてもいいじゃありませんか。」
チュウリップの幻術
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
人は自分が財産を得たと聞いて飛び上り
跳
(
は
)
ねまはり
快哉
(
くわいさい
)
を叫びはしない。人は責任を感じ仕事を考へ始める。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
“跳(マツダ・跳)”の解説
マツダ・跳(ハズミ・HAZUMI)は、マツダが製作したコンセプトカーである。
(出典:Wikipedia)
跳
常用漢字
中学
部首:⾜
13画
“跳”を含む語句
跳躍
跳上
跳込
跳梁
跳出
跳起
跳返
跳梁跋扈
一跳
高跳
跳舞
跳越
飛跳
心跳
跳足
跳付
跳退
跳廻
跋扈跳梁
跳猿
...