“地面”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じめん44.9%
じべた20.5%
ぢべた12.8%
じびた9.0%
ぢめん4.5%
した1.9%
ぢづら1.3%
ちめん1.3%
ぢびた1.3%
じがお0.6%
じづら0.6%
ちべた0.6%
つち0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのため、いまにも地面じめんにさわりそうです。ズルスケはこのガンめがけて、思いきり高くねあがりました。が、またまた失敗しっぱいです。
老耄ろうもうしていた。日が当ると茫漠ぼうばくとした影がたいら地面じべたに落ちるけれど曇っているので鼠色の幕を垂れたような空に、濃く浮き出ていた。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
その折ある地方で、皮膚はだの赤茶けた土人が、地面ぢべた蹲踞はひつくばつて玉蜀黍たうもろこし煙管パイプやにくさい煙草をすぱすぱやつてゐるのを見かけた。
木枯の吹く寒い日に、計算翁は例の如く黒い服を裾長く地面じびた引摺ひきずって、黒頭布を被って、手に聖書を持って、町の中を右左に歩き廻った。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
こゝに享保年間下總國しもふさのくに古河こがの城下に穀物屋吉右衞門こくものやきちゑもん云者いふものあり所にならびなき豪家がうかにて江戸表えどおもてにも出店でみせ十三げんありて何れも地面ぢめん土藏共どざうども十三ヶ所を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ポルフィーリイが仔犬を床の上へおろすと、そいつは四肢ししをふんばって地面したを嗅ぎまわした。
大得意だいとくい船町倉次郎ふなまちくらじらうは、さらいうして圓石まるいし取除とりのぞくと、最初さいしよ地面ぢづらより一ぢやう尺餘じやくよ前面ぜんめんおいて、ぽかりと大穴おほあな突拔つきぬけた。
すると人足にんそくの一にんか『かひところ此所こゝばかりぢやアりません。御門ごもんはいつて右手みぎて笹山さゝやまうしろところにも、しろかひ地面ちめんます』と報告ほうこくした。
そしてうめくやうな声をしたと思ふと、もうそこから飛び下りてかはづのやうに地面ぢびたに両手をついてゐた。
芸の方にソツはねえが、面のつくりがあんまり綺麗過ぎたね。どだい、お前さんの地面じがおが綺麗過ぎるんだろう
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
其時小さなまりのような物がと軒下を飛退とびのいたようだったが、やが雪洞ぼんぼり火先ひさきが立直って、一道の光がサッと戸外おもて暗黒やみを破り、雨水の処々に溜った地面じづらを一筋細長く照出した所を見ると
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
お宅のは勃然むっくり起きましてな、キリキリと二三遍廻って、パタリと倒れると、仰向きになってこう四足よつあしを突張りましてな、尻尾でバタバタ地面ちべたを叩いたのは、あれは大方くるしがったんでしょうが
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
お定は、露を帯びた裏畑を頭に描き出した。ああ、あの紫色な茄子の畝! 這ひはびこつた葉に地面つちを隠した瓜畑! 水の様な暁の光に風も立たず、一夜さを鳴き細つた虫の声!
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)