“地面(ぢめん)” の例文
茲(こゝ)に享保年間下總國(しもふさのくに)古河(こが)の城下に穀物屋吉右衞門(こくものやきちゑもん)と云者(いふもの)あり所に双(なら)びなき豪家(がうか)にて江戸表(えどおもて)にも出店(でみせ)十三軒(げん)ありて何れも地面(ぢめん)土藏共(どざうども)十三ヶ所を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
床上(しようじよう)の振動(しんどう)は地面(ぢめん)のものゝ三割(さんわり)増(ま)しなることが普通(ふつう)であるけれども、木造(もくぞう)二階建(にかいだて)の階上(かいじよう)は三倍程度(さんばいていど)なることが通常(つうじよう)である。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
「又(また)地面(ぢめん)? 何時迄(いつまで)もあの事(こと)ばかり考(かんが)へて入(い)らつしやるのね。だつて、貴方(あなた)が萬事(ばんじ)宜(よろ)しく願(ねが)ひますと、叔父(をぢ)さんに仰(おつ)しやつたんでせう」と云(い)ふ。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
この時(とき)涙(なみだ)はらはらと湧(わ)いて来(き)た。地面(ぢめん)に身(み)を伏(ふ)せ、気味(きび)の悪(わる)い唇(くちびる)ではあるが、土(つち)の上(うへ)に接吻(せつぷん)して大声(おほごゑ)に叫(さけ)んだ。
(さあ此(こ)の上(うへ)へ乗(の)るんです、土(つち)が柔(やはら)かで壊(く)へますから地面(ぢめん)は歩行(ある)かれません。)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
營(いとな)むが上(うへ)に彼(か)れは本家(ほんけ)とて世(よ)の用(もち)ひも重(おも)かるべく我(われ)とて信用(しんよう)薄(うす)きならねど彼方(かなた)に七分(しちぶ)の益(えき)ある時(とき)こゝには僅(わづ)かに三分(さんぶ)の利(り)のみ我(わ)が家(いへ)繁榮(はんえい)長久(ちやうきう)の策(さく)は彼(か)れ松澤(まつざは)の無(な)きにしかず且(か)つは娘(むすめ)の容色(きりやう)世(よ)に勝(すぐ)れたれば是(これ)とても又(また)一(ひと)つの金庫(かねぐら)芳之助(よしのすけ)とのえにし絶(た)えなば通(とほ)り町(ちやう)の角(かど)地面(ぢめん)持參(ぢさん)の聟(むこ)もなきにはあらじ一擧兩得(いつきよりやうとく)とはこれなんめりと思(おも)ふ心(こゝろ)は
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「何(なん)にもしないで遊(あす)んでるんでせう。地面(ぢめん)や家作(かさく)を持(も)つて」と御米(およね)が答(こた)へた。此(この)答(こたへ)も今迄(いままで)にもう何遍(なんべん)か宗助(そうすけ)に向(むか)つて繰(く)り返(かへ)されたものであつた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
何(なん)となれば、これ等(ら)の材料(ざいりよう)は家屋各部(かおくかくぶ)の結束(けつそく)に無能力(むのうりよく)なるが上(うへ)に、地震(ぢしん)のとき、自分(じぶん)の惰性(だせい)を以(もつ)て家屋(かおく)が地面(ぢめん)と一緒(いつしよ)に動(うご)くことに反對(はんたい)するからである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
語らひ品川宿近江屋儀右衞門の地面(ぢめん)芝高輪(しばたかなわ)八山(やつやま)に有(ある)を買取て普請にぞ取掛りける表門玄關使者の間大書院(おほしよゐん)小書院(しよゐん)居間(ゐま)其外諸役所長屋等迄(とうまで)殘(のこ)る所なく入用を厭(いと)はず晝夜(ちうや)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「だからさ。叔父(をぢ)さんの方(はう)では、御金(おかね)の代(かは)りに家(うち)と地面(ぢめん)を貰(もら)つた積(つもり)で入(い)らつしやるかも知(し)れなくつてよ」と御米(およね)が云(い)ふ。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其方儀天一坊身分聢(しか)と相糺(あひたゞさ)ず地面(ぢめん)賣遣(うりつか)はし候段不埓に付過料(くわれう)五貫文申付る
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
煙(けむり)に卷(ま)かれたら、地面(ぢめん)に這(は)ふこと、濕(ぬ)れ手拭(てぬぐひ)にて鼻口(はなくち)を被(おほ)ふこと。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
斯(か)う決心した翌日(よくじつ)、代助は久し振(ぶ)りに髪(かみ)を刈(か)つて髯(ひげ)を剃(そ)つた。梅雨(つゆ)に入つて二三日凄(すさ)まじく降(ふ)つた揚句なので、地面(ぢめん)にも、木(き)の枝にも、埃(ほこり)らしいものは悉(ことごと)くしつとりと静(しづ)まつてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其夜(そのよ)は雨催(あめもよひ)の空(そら)が、地面(ぢめん)と同(おな)じ様な色(いろ)に見えた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)