“剃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
77.3%
あた7.2%
6.0%
そり4.5%
2.1%
そっ0.9%
おろ0.6%
0.3%
すっ0.3%
する0.3%
そる0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日の光が斜めに窓からさし込むので、それを真面まともに受けた大尉のあかじみた横顔にはらない無性髯ぶしょうひげが一本々々針のように光っている。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「いえ、けっして何も、旦那、ただ顔をあたりにまいります途中で、河の流れが早いかどうかと、ちょっとのぞいてみましただけで。」
(新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
吾輩だって喜多床きたどこへ行って顔さえってもらやあ、そんなに人間とちがったところはありゃしない。人間はこう自惚うぬぼれているから困る。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
其方そちらおもよりもあらばつてれとてくる/\とそりたるつむりでゝ思案しあんあたはぬ風情ふぜい、はあ/\ときゝひとことばくて諸共もろとも溜息ためいきなり。
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
髪をろして、ここにいるとは思わなかったし、師の慈円も、そんなことは少しも話に出さなかったので、彼は驚きの眼をみはったまま
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すぐに気絶するものがあるかも知れず、たちどころに天窓あたまそって御弟子になりたいと言おうも知れず、ハタと手をって悟るのもありましょう。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もっと、今の感激をつきつめて、髪をおろし、袖ももすそも、ちきって、清楚なあまのすがたになりきってしまいたい念だけがあった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
脊の高い、血色のよい、綺麗にてられた紳士で、その澄んだ目、輝く頬、——と、ベーカー街の霧の中からは遥に離れた処に生活している人に相違ないと思われた。
所が悲しい事には支那人の頭は前の方をすって居るから旨く届かぬ僅に指先で四五本つかんだが其中に早や支那人の長い爪で咽笛のどぶえをグッと握まれ且つ眉間を一ツ切砕きりくだかれウンと云って仰向にうしろへ倒れる
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
ひげするんではない、吾身わがみいやしめるんだ、うすると先方むかうでは惚込ほれこんだと思ふから、お引取ひきとり値段ねだんをとる、其時そのとき買冠かひかぶりをしないやうに、掛物かけものきずけるんだ。
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
源教げんけういふやう、そはいとやすき事也、されどこゝにはそるべき物ももたざれば、あすの夜わがすむ関山せきやまの庵へきたり候へ、望をはたし申さんといひければ
気永に遣ったもんだから、ついには坊様になるべえとッてようやく去年の二月頭をおっったのさ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)