“先方”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
さき43.4%
むこう26.9%
むかう9.1%
せんぽう7.8%
せんぱう3.2%
むかふ2.3%
あつち1.8%
あちら0.9%
あっち0.9%
さきがた0.9%
(他:6)2.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“先方”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸58.1%
文学 > 日本文学 > 小説 物語5.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)1.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
たまに大手の湯などでの番人に逢つて、先方さきから田舎風に挨拶された時は、私は名のつけやうの無い恐怖を覚えた。
突貫 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
蓮「私にい工夫が有るんです、先方さきは大変に困って居る様子だから、可愛がって店賃たなちんを負けておやんなさいよ」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「よし、俺は木で彫るものなら何んでも彫ろう。そして先方むこうから頼んで来たものなら何でも彫ろう」ということにしました。
「恥辱でも仕方が無いわ。先方むこうから不意に襲って来るんですもの。」と、冬子は少しく不平そうに兄をみかえった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
独軍の塹壕から六マルク目の銀貨が光つたと思ふと、英軍はぱちりと巧くそれを狙ひあてた。すると先方むかうから合図があつた。
『ハ。』と答へて、二人も急いで店から自分達の下駄を持つて来て、裏に出ると、お吉はもう五六間先方むかうへ行つて立つてゐる。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それにその表情ひょうじょうものごしがいかにも不思議ふしぎ……先方せんぽう丸顔まるがおわたくし細面ほそおもて
先方せんぽう小柄こがらわたくし大柄おおがら外形がいけいはさまで共通きょうつう個所かしょがないにもかかわらず
睨合にらみあつてあひだに、先方せんぱうすきでもあつたなら
すると、先方せんぱうではおほい恐縮きようしゆくして、いろ/\相談さうだんすゑ名高なだか針醫はりいなくなつて
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
すると学校をたての平岡でないから、先方むかふわからない、且つ都合のわるいことは成るべく云はない様にして置く。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「さよか、先方むかふがそない言うてるのんやと——」鴈治郎の顔は見る/\相好さうがうが崩れた。「会うだけなら一遍会うても構やへんな。」
『それでなす、先方あつちア着いてから、一緒に行つた樣でなく、後から追驅けて來たで、當分東京さ置ぐからつて手紙寄越す筈にしたものす。』
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『それでなす、先方あつちア着いてから、一緒に行つた様でなく、後から追駆けて来たで、当分東京さ置ぐからつて手紙寄越す筈にしたものす。』
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『それやね、決めるまでにはマア、間違ひはないでせうけれど、先方あちらの事も詳しくナンして見てから……。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「道理でさっき私がこの事をいいかけるとあのかたが目で留めたんですよ。やはり先方あちらでもあなたに知らせまいとして。いじらしいじゃありませんか」
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
段々行くと一歩々々ひとあしひとあし近くなって、到頭とうとうすれ違いになった、所が先方あっちの奴も抜かん、此方こっち勿論もちろん抜かん、所で擦違すれちがったから
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「まあいいさ。取るとやるの前祝いだ。——ところでお豊だがの、おまえもっとしつけをせんと困るぜ。あの通り毎日駄々だだをこねてばかりいちゃ、先方あっち行ってからが実際思われるぞ。観音様がしゅうとだッて、ああじゃ愛想あいそをつかすぜ」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
いま先方さきがた門野を呼んでくくり枕を取り寄せて、午寐ひるねむさぼった時は、あまりに溌溂はつらつたる宇宙の刺激に堪えなくなった頭を、出来るならば、あおい色の付いた、深い水の中に沈めたい位に思った。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いま先方さきがたかど野をんでくゝまくらせて、午寐ひるねむさぼつた時は、あまりに溌溂たる宇宙の刺激に堪えなくなつたあたまを、出来できるならば、あをいろいた、ふかみづなかしづめたい位に思つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
先方こちらからの望みであったというし、目下区長が全責任を負うて心配している信用組合の破綻を救うために、村民の決議で村有の山林原野を抵当にした、相当有利な条件の借金話が、区長と死んだ深良老人との間に都合よく進行しているという話じゃから、その裏の裏の魂胆でも無い限りは、区長へ嫌疑をかけるのは無意味じゃないかと思うです。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
親子は裁縫の師匠をしているので、つい先方さきかた弟子の娘たちが帰った後の、断布片たちぎれや糸屑がまだ座敷に散らかっているのを手早く片寄せて、ともかくもとしとねに請ずる。
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
門野に聞いたら、へえそうです、先方さっきから待って御出ですという答であった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
門野かどのいたら、へえ左様さうです、先方さつきからつて御出おいでですといふこたへであつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
先方せんばうになるとはらつのももつとも千ばん