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先方
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せんぽう
ふりがな文庫
“
先方
(
せんぽう
)” の例文
「どうか、この
荷物
(
にもつ
)
を
無事
(
ぶじ
)
に
先方
(
せんぽう
)
へ
届
(
とど
)
けてくれ。そうすれば
帰
(
かえ
)
りに
餡
(
あん
)
ころもちを
買
(
か
)
ってやるぞ。」と、
男
(
おとこ
)
は、
牛
(
うし
)
にいったのであります。
ある男と牛の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それから
早速
(
さっそく
)
人
(
ひと
)
を
依
(
たの
)
んで、だんだん
先方
(
せんぽう
)
の
身元
(
みもと
)
を
査
(
しら
)
べて
見
(
み
)
ると、
生憎
(
あいにく
)
男
(
おとこ
)
の
方
(
ほう
)
も
一人
(
ひとり
)
息子
(
むすこ
)
で、とても
養子
(
ようし
)
には
行
(
ゆ
)
かれない
身分
(
みぶん
)
なのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
別にこの縁談については中に立ったというわけでもなし、
旁々
(
かたがた
)
下手に間に入って口をきくと、
反
(
かえっ
)
て
先方
(
せんぽう
)
から
怨
(
うら
)
まれなどした事もあったので
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
警「
粗末
(
そまつ
)
にするという事があるか、
先方
(
せんぽう
)
の身体も貴様の身体も同じじゃ、それじゃに依って喧嘩口論して、粗暴に人を打擲する事はならん」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
思いがけない
剛敵
(
ごうてき
)
に
出会
(
でっくわ
)
して、東京者も弱った。与右衛門さんは散々並べて
先方
(
せんぽう
)
を
困
(
こま
)
らせぬいた
揚句
(
あげく
)
、多分の
賠償金
(
ばいしょうきん
)
と
詫言
(
わびごと
)
をせしめて、やっと
不承
(
ふしょう
)
した。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
一つ
変
(
かわ
)
り
者
(
もの
)
の人形師を教えてくれないかと
云
(
い
)
うと、
先方
(
せんぽう
)
は電話口で、エヘヘヘヘヘと気味わるく笑った。
悪霊物語
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
拙者の考えでは、ことによると、
先方
(
せんぽう
)
のほうが役者が一枚上ではないかと……
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ゆうべ
先方
(
せんぽう
)
を出ると、人通りのない道を、
笠
(
かさ
)
を被った小僧が素足でぴちゃぴちゃ附いて来るので、傘の中へ入れてやったが、足許に
絡
(
から
)
みついて歩きにくいことといったら少しも道がはかどらぬ。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
謂
(
い
)
わば、こちらも
先方
(
せんぽう
)
も何らの
蟠
(
わだか
)
まりを持っていないのである。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
四
人
(
にん
)
の
子供
(
こども
)
らはその
日
(
ひ
)
から
隊
(
たい
)
を
組
(
く
)
んで
隣村
(
となりむら
)
へ
出
(
で
)
かけていって
太郎
(
たろう
)
とけんかをしました。しかし
先方
(
せんぽう
)
はいつも
太郎
(
たろう
)
一人
(
ひとり
)
でありました。
雪の国と太郎
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
現
(
げん
)
と
幽
(
ゆう
)
とに
分
(
わか
)
れて
居
(
お
)
りましても、
人情
(
にんじょう
)
にかわりはなく、
先方
(
せんぽう
)
で
熱心
(
ねっしん
)
ならこちらでもツイその
真心
(
まごころ
)
にほだされるのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
清「
最
(
も
)
うこんなに立派に成って来ましても、矢張
少
(
ちい
)
さい心持で居りますが、女房を持つようになって誠に結構だねえ、
先方
(
せんぽう
)
は何う云うもので、女房の身分は」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「いやなものはしかたがない。さあ
家
(
うち
)
へお
上
(
あ
)
がり。
先方
(
せんぽう
)
は
私
(
わたし
)
からよくいっておく。また
私
(
わたし
)
がよいところを
捜
(
さが
)
してあげるから。」
海へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
又
(
また
)
竜宮
(
りゅうぐう
)
へ
行
(
い
)
ってからは、どなたにお
目
(
め
)
にかかるか
知
(
し
)
れぬが、
何
(
いず
)
れにしても、ただ
先方
(
せんぽう
)
のお
話
(
はなし
)
を
伺
(
うかが
)
う
丈
(
だけ
)
では
面白
(
おもしろ
)
うない。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
誠に何うも申し
悪
(
にく
)
いが、何時までぐず/″\
匿
(
かく
)
しても
居
(
お
)
られませんから
一伍一什
(
いちぶしじゅう
)
申上げる儀でござるが、実は
彼
(
あ
)
の婦人の手を切るに三十円と云う訳で、段々
先方
(
せんぽう
)
へ掛合った処が
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
子供
(
こども
)
に、そんなことをさせるのは、
先方
(
せんぽう
)
がよくない。いやがるのは、もっともだ。」と、こんどは、お
父
(
とう
)
さんが、
吉雄
(
よしお
)
に
味方
(
みかた
)
されたのでした。
子供はばかでなかった
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
作「
先方
(
せんぽう
)
へ往って話をするんだがネ、元は
侍
(
さむれえ
)
だが食い方に困るから
商売
(
しょうべえ
)
をするッて、それを咎める
理合
(
りええ
)
は有ンめえと云う処を押して、
此方
(
こっち
)
で兎や
角
(
こ
)
ういえば殺されると云うんだ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そして、たがいにジャックの
右
(
みぎ
)
になり、
左
(
ひだり
)
になりして、ジャックの
身
(
み
)
を
護衛
(
ごえい
)
するように
注意深
(
ちゅういぶか
)
く
先方
(
せんぽう
)
を
見
(
み
)
つめていました。
花の咲く前
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
警「代りという事があるか、全く
先方
(
せんぽう
)
から先に手出しをした証拠があるか」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わたし
)
の
知
(
し
)
った
町
(
まち
)
の
糸屋
(
いとや
)
で、
小僧
(
こぞう
)
が
欲
(
ほ
)
しいということだから、
龍雄
(
たつお
)
をやったらどうだ、
先方
(
せんぽう
)
はみなしんせつな
人
(
ひと
)
たちばかりだ。なんなら
私
(
わたし
)
から
頼
(
たの
)
んであげよう。
海へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
○「へえ……
先方
(
せんぽう
)
で驚いて出ましたか、穴の中から」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
先方
(
せんぽう
)
が、
金持
(
かねも
)
ちで、なに
不自由
(
ふじゆう
)
なく、そして、
娘
(
むすめ
)
をかわいがってさえくれればいいと
思
(
おも
)
っていましたので、
先方
(
せんぽう
)
がそんなにいいとこであるなら、
娘
(
むすめ
)
もしあわせだからというので
海ぼたる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
典「貴公
私
(
わし
)
の名前を
先方
(
せんぽう
)
へ言いますまいねえ」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
おじいさんは、このこまどりを
酒屋
(
さかや
)
へやったら、
先方
(
せんぽう
)
は、また
大
(
おお
)
いに
喜
(
よろこ
)
んで、いままでのように、
毎日
(
まいにち
)
、
自分
(
じぶん
)
の
好
(
す
)
きな
酒
(
さけ
)
を
持
(
も
)
ってきてくれるに
違
(
ちが
)
いないということを
知
(
し
)
りました。
こまどりと酒
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
旅人
(
たびびと
)
は、
子供
(
こども
)
の
時分
(
じぶん
)
、
釣
(
つ
)
りにいって、
疲
(
つか
)
れた
足
(
あし
)
を
引
(
ひ
)
きずりながら
帰
(
かえ
)
ったとき、また
学校
(
がっこう
)
の
帰
(
かえ
)
りにけんかをして、
先方
(
せんぽう
)
はおおぜいだったとき、そんなときでさえ、あちらに、
親
(
した
)
しい
松
(
まつ
)
の
木
(
き
)
が
見
(
み
)
えると
曠野
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“先方”の意味
《名詞》
先方(せんぽう)
相手の方向。また、その人。
先の方向。
(出典:Wiktionary)
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“先方”で始まる語句
先方様
先方衆
先方持
先方樣
先方組