“さつき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サツキ
語句割合
先刻61.5%
五月13.7%
皐月9.2%
先程4.8%
前刻4.8%
早月1.0%
0.6%
0.6%
殺気0.6%
殺氣0.6%
(他:8)2.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「五せんりんまういくらつていふんだ、さうすつと先刻さつきのはいくらの勘定かんぢやうだつけな」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
此奴こいつ先刻さつきぼくが飲んだんだから」と云つて、洋盃コツプげたが、蹰躇ちうちよした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
思わず一足退きしが屈せずふるって立ち出でつ、欄をつかんできっとにらめばそら五月さつきやみより黒く
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
光秀は紹巴に「あめが下しる五月さつきかな」の「し」の字は「な」の字といわれたが、紹巴はまたこの公には敵わない。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
今は早や凝つた形の雲とては見わけもつかず、一樣に露けくうるんだ皐月さつきの空の朧ろの果てが、言ふやうもなく可懷なつかしい。
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
そこには躑躅つつじが咲き残り、皐月さつきが咲き、胸毛の白い小鳥は嫩葉わかばの陰でさえずっていた。
藤の瓔珞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
と勇み立つてゐた。「それにしても、好くも似た風習が此処にもあると思つて、先程さつきから感心してゐたところなのよ。」
南風譜 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
鶴と大ちやんは花の下で先程さつきから活躍を続けてゐたのであつたが、あまり海棠の花が酣なので樽野は彼等の姿を見失つてゐたのである。
鶴がゐた家 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
——前刻さつきくさあぜにてたかさが、パサリと、ひとりでたふれると、した女中ぢよちうが、
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
前刻さつきから、げたり、げたり、むねなみたして女房にようばう
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その時葉子の部屋の戸にどたりと突きあたった人の気配がして、「早月さつきさん」と濁って塩がれた事務長の声がした。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
サユリはサツキユリの略されたもので、それは早月さつき(旧暦の五月、今日こんにちでは六月に当たる)のころに花が咲くからそういうのである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「もう少しさつきでした。貴君あなたは大相お早かつたぢやありませんか、丁度ございましたこと。さうして間の容体はどんなですね」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さつきに湯殿でちよつつたが、男の客だよ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
少時しばらくするとさつきの老人がそこへ現はれた。然し姿は前とは異つて、羽織を着け袴を穿いてゐた。
少年の死 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
いやさう言れると慄然ぞつとするよ、実はさつき停車場ステエションで例の『美人びじクリイム』(こは美人の高利貸を戯称せるなり)を見掛けたのだ。あの声で蜥蜴啖とかげくらふかと思ふね、いつ見ても美いには驚嘆する。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
其子そのこの身に宿りしより常に殺気さつきべる夢のみ多く、或時は深山しんざんに迷ひ込みて数千すせんおほかみに囲まれ、一生懸命の勇をならして
母となる (新字旧仮名) / 福田英子(著)
二月の風は殺気さつきだち、
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
たちま手負猪ておひじしおそふやうな、殺氣さつきつた跫音あしおと犇々ひし/\ドアる。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三助さんすけ意氣いき湯煙ゆげむりてて、殺氣さつき朦々もう/\としててんおほへば
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
五月躑躅さつきの葉蔭に、学生服の少年が咽喉のどから胸許むなもとにかけ真紅まっかな血を浴びて仰向おあむけにたおれていた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「ジュリアさん。云って聞かせて下さい。貴女は四郎と日比谷公園の五月躑躅さつきの陰で会っていたのでしょう」
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
また天皇、丸邇わに佐都紀さつきの臣が女、袁杼をど比賣をよばひに、春日にいでましし時、媛女をとめ、道に逢ひて、すなはち幸行いでましを見て、岡邊をかびに逃げ隱りき。
「それぢやその新聞が違つてゐるのだよ。阿父さんは先之さつき病院へ見舞にお出掛だから、間も無くお帰来かへりだらう。まあ寛々ゆつくりしておいでな」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「何ともないものが、惘然ぼんやり考へたり、太息ためいきいたりしてふさいでゐるものか。僕は先之さつきから唐紙からかみの外で立つて見てゐたんだよ。病気かい、心配でもあるのかい。言つてきかしたつて可いぢやないか」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
門野かどのいたら、へえ左様さうです、先方さつきからつて御出おいでですといふこたへであつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
孝経彙註かうきやうゐちゆうの刻本が次第に完成し、剳記さつきを富士山の石室せきしつざうし、又足代権太夫弘訓あじろごんたいふひろのりすゝめによつて、宮崎
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ともしや後悔しておいでなんぢやなからうかと思ふと、私だつて好い気持はしないもんだから、つい向者さつきはあんなに言過ぎて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
研究所の中庭の、杜鵑花さつきの咲いているコンクリートの池を廻って、すたすたと自分の室に帰って行った。
宇宙爆撃 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
明後日から田植さつきにかかるつもりの眼のまわる忙しい日だつたが、作業は休みということになつて、母親のタミと初世の二人は、御馳走ごしらえにいそがしかつた。
押しかけ女房 (新字新仮名) / 伊藤永之介(著)
田植さつき済んだら、ゆつくり、一杯やろうな、同窓生集つて——」
押しかけ女房 (新字新仮名) / 伊藤永之介(著)