殺氣さつき)” の例文
新字:殺気
ドアそとでひき呼吸いきつぶやこゑ彈丸だんぐわんごとんでおとたちま手負猪ておひじしおそふやうな、殺氣さつきつた跫音あしおと犇々ひし/\ドアる。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御米およね小六ころく憮然ぶぜんとしてゐる姿すがたて、それを時々とき/″\酒氣しゆきびてかへつてる、何所どこかに殺氣さつきふくんだ、しかもなにしやくさはるんだかわけわからないでゐてはなは不平ふへいらしい小六ころく比較ひかくすると
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
まへなるえん障子しやうじけた、十しよく電燈でんとうあかりとゞかない、むかし行燈あんどんだと裏通うらどほりにあたる、背中せなかのあたりくらところで、がブーンとく……の、陰氣いんきに、しづんで、殺氣さつきびた樣子やうす
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
殺氣さつき朦々もう/\としててんおほへば、湯船ゆぶねまたゝに、湯玉ゆだまばして、揚場あがりばまで響渡ひゞきわたる。
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)