“燭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しょく50.3%
11.9%
しよく9.7%
とも8.6%
あかり4.9%
ともしび4.9%
そく3.2%
あか1.6%
もゆ1.1%
あかし0.5%
0.5%
てら0.5%
とぼ0.5%
ともし0.5%
ひとも0.5%
トモ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
瀟々しょうしょう、外の雨声ばかりで、寒室のしょくは、油も凍るか、いとど火色も細い。火の気といっては、家康の側に、手炉しゅろ一つあるきりだった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
代筆とみえ、文辞もつたなく、ただこんなふうに気負った言葉が書きつらねてある。武蔵は手紙を裂くと、それをにかざして焼いてしまった。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たま/\相見て西窓せいさうしよくる娯しみを得ることもあつたが、然し其人々は皆白頭にして、わたくしとは職業を異にしてゐた。
来訪者 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
座敷に通ると冬子は、それも昔からのしきたりである海棠の樹の合間々々にともす雪洞の用意をするために樽野夫妻を残して出て行つた。
鶴がゐた家 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
あかりはつけてもいいのでございますけれど、わたくしはあなた様のお越しの日を見越していて、わざと燭ははぶいておりました。
花桐 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
……酒ひと瓶と湖の小魚、汀の心をめたぜんであったが、貧しいともしびの下に二人相対して坐ったときは、祝いの気持よりも寂しさが身にしみた。
足軽奉公 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
是を蝋そくたてと見たのは三四郎の臆断で、実は何だかわからない。此不可思議の蝋燭たてうしろあきらかなかゞみがある。光線はあつ窓掛まどかけに遮ぎられて、充分に這入らない。其上天気は曇つてゐる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
夜更けの大川はさすがに鎭まり返つて、最早絃歌げんかあかりもなく、夜半過ぎの初秋の風が、サラサラと川波を立ててをります。
みん万暦ばんれきはじめ閩中みんちゆう連江といふ所の人蛤をわりて玉をたれども不識みしらずこれをる、たまかまの中にあり跳躍をどりあがりしてさだまらず、火光くわくわうそらもゆ里人さとびと火事くわじならんとおどろき来りてこれを救ふ。
日が暮れると、彼女たちは彼のところにあかしをもつてくる、まだ見たこともないやうな燭を。それから鐡兜のなかに赫いてゐる葡萄酒を。
茫々乎たる空際は歴史のじゆんの醇なるもの、ホーマーありし時、プレトーありし時、彼の北斗は今と同じき光芒を放てり。同じく彼をらせり、同じく彼れをらけり。
一夕観 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
龐涓はうけんはたしてよる斫木しやくぼくもといたり、白書はくしよすなは(五五)りてこれてらす。其書そのしよいまをはらざるに、せいぐん萬弩ばんどともはつす。ぐんおほひみだれ、(五六)相失あひしつす。
あまり待ち遠だつたので左の耳のあたりにつかねた髮にしていた清らかな櫛の太い齒を一本いて一ぽんとぼして入つて御覽になるとうじいてごろごろと鳴つており、頭には大きな雷が居
扉が開いて※紗燈ほうしゃとうを持った少年をれて痩せた男が入ってきた。ともしの燈は杜陽の眼にひどくきれいに見えた。
陳宝祠 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
こしもとをしてはうきひともたいまつごとくにしてあまねせしむ。令史れいしあわまどひて、かたはらにありおほいなるかめなか匐隱はひかくれぬ。須臾しばらくしてつまはやうまりてゆらりと手綱たづな掻繰かいくるに、はうきしたり、こしもとるべきものなし。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
カレ左の御美豆良ミミヅラに刺させる、湯津津間櫛ユツツマグシ男柱オハシラ一つ取り闕ぎて、一つ火トモして、入り見ます時に、ウジたかれとろろぎて、八雷神成り居りき。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)