“南天燭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なんてん83.3%
なんてんしょく16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
南天燭なんてんあかい実を目に入れた円い白雪は、お定りその南天燭の葉を耳に立てると、仔細しさいなくうさぎである。雪の日の愛々しい戯れには限らない。
片側は人の歩むだけの小径こみちを残して、農家の生垣が柾木まさきまき、また木槿むくげ南天燭なんてんの茂りをつらねている。夏冬ともに人の声よりも小鳥のさえずる声が耳立つかと思われる。
葛飾土産 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
南天燭なんてんしょくを植木屋に言いつけて彼の玄関の傍に植えさせてやったのは、そのころのことであった。
彼は昔の彼ならず (新字新仮名) / 太宰治(著)
十三坪のひろさの裏庭がついていて、あの二本の紅梅が植えられてあるほかに、かなりの大きさの百日紅さるすべりもあれば、霧島躑躅きりしまつつじが五株ほどもある。昨年の夏には、玄関の傍に南天燭なんてんしょくを植えてやった。
彼は昔の彼ならず (新字新仮名) / 太宰治(著)