“木槿”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
むくげ56.8%
もくげ35.1%
はちす2.7%
ぼけ2.7%
もくで2.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すがれ果てた木槿むくげの風防垣が白く、薄紫に光を燻して続いてゐると、通草あけびの殻や、蔓草の黒い光沢のする細かな実も蔓と絡んでゐる。
蜜柑山散策 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
片側は人の歩むだけの小径こみちを残して、農家の生垣が柾木まさきまき、また木槿むくげ南天燭なんてんの茂りをつらねている。
葛飾土産 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
やがて足駄あしだ歯入はいれ鋏磨はさみとぎ、紅梅の井戸端に砥石といしを据ゑ、木槿むくげの垣根に天秤てんびんを下ろす。
草あやめ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
木槿むくげ木槿はちすにてもあひわからず、木槿もくでなり。やまいも自然生じねんじやうを、けて別々べつ/\となふ。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
だが、秋の七草に含まれる朝顔は夏の朝咲くいはゆる朝顔——これを古字にすれば牽牛子又は蕣花と書く——ばかりではなく、木槿むくげと桔梗をも総称してのものである。
秋の七草に添へて (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
りて見れば、しろ木槿もくげの花咲きみだれたる奥に、白堊しろつち塗りたる瓦葺かわらぶきの高どのあり。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「まあ、奇麗な! 木槿もくげさかりですこと。白ばかりも淡白さつぱりしていぢやありませんか」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
入りて見れば、しろ木槿もくげの花咲きみだれたる奥に、白堊しらつち塗りたる瓦葺かわらぶきの高どのあり。
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)
その野上の墓といふのは、墓地の入口から、秋は木槿もくげなどの紅く白く咲く傍を通つて、ずつと奥深く進んで行つたところにあるのであるが——周囲を花崗石みかげいしの塀で囲まれて
百合子 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
新墓にいつかの垣に紅白の木槿もくげが咲いて、あかい小さい蜻蛉とんぼがたくさん集まって飛んでいる。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
木槿むくげ木槿はちすにてもあひわからず、木槿もくでなり。やまいも自然生じねんじやうを、けて別々べつ/\となふ。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それは、とても大変だったんだよ。……もう、何年になるか、よく覚えていないけど、君が叔父さんというひとと、この辺へ遠足に来て、とつぜん、えらい熱を出して、わけがわからなくなってしまったんだ。……なにげなく、アトリエの窓から見おろすと、君の叔父さんが、あそこの木槿ぼけのあたりで、君をかかかえてうろうろしている。
木槿むくげ木槿はちすにてもあひわからず、木槿もくでなり。やまいも自然生じねんじやうを、けて別々べつ/\となふ。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)