“むくげ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
木槿63.6%
槿15.2%
尨毛12.1%
9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やがて足駄あしだ歯入はいれ鋏磨はさみとぎ、紅梅の井戸端に砥石といしを据ゑ、木槿むくげの垣根に天秤てんびんを下ろす。目黒の筍売たけのこうり、雨の日にみの着て若柳の台所を覗くもゆかしや。
草あやめ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それもなまじ西洋文学なぞうかがひて新しきを売物にせしものこそ哀れは露のひぬの朝顔、路ばたの槿むくげの花にもまさりたれ。
一夕 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
お増の家のすぐ近くの通りをうろついている犬に、細君はふと心をかれた。その犬の狐色の尨毛むくげや、鼻頭はながしら斑点ぶちなどが、細君の目にも見覚えがあった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
千登世は朝髮をく時ぬけ毛を束にして涙含み乍ら圭一郎に見せた。事實、彼女の髮は痛々しい程減つて、添へ毛して七三に撫でつけてむくげを引きしられた小鳥の肌のやうな隙間が見えた。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)