“毳”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けば30.8%
むくげ23.1%
そり15.4%
にこげ15.4%
7.7%
カモ7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
花は絵のような美しい面を伏せ、オドオドと玉繭の着物のけばをむしりながら消え入りそうに肩をすぼめている。海棠雨に悩む体。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
沢子は少し身を退いて、薄いむくげのありそうな脹れた唇を歪み加減に引結んで、下歯の先できっと噛みしめていた。
野ざらし (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
かれ泥行でいかうの用なれば雪中に用ふるとは製作せいさくことなるべし。そりの字、○そりそりそり秧馬そり諸書しよしよ散見さんけんす。あるひは○雪車そり雪舟そりの字を用ふるは俗用ぞくようなり。
山海経せんがいきょう』に、〈天馬かたち白犬のごとくにして黒頭、肉翅能く飛ぶ〉とあり、堀田正俊の『颺言録ようげんろく』に、朝鮮の天馬形犬のごとくにこげ白兎のごとしといえるは
筆の穂を墨つぼにたっぷりひたして、幾らかばだった標木の前に突き膝をした。淋漓りんりたる思いをこめて彼は書いたのだ。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
三句四句への移り方なども、茅の帳・芝のカモを夢みる様に、鮮やかでゐて、豊かな波をうつて進んでゐる。第五句なども、拍子は転換して結んでゐる。が更に緩やかになつて来てゐる。