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毳
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けば
ふりがな文庫
“
毳
(
けば
)” の例文
花は絵のような美しい面を伏せ、オドオドと玉繭の着物の
毳
(
けば
)
をむしりながら消え入りそうに肩をすぼめている。海棠雨に悩む体。
魔都
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
長い
毳
(
けば
)
のある肩掛をぐるぐる巻きつけ、
鍔
(
つば
)
のびらびらしている帽子をかぶり、泥だらけの脚をして、その馬車の中から
体
(
からだ
)
をゆすぶりながら出て来た、乗客のロリー氏は、幾らか
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
なよげなる
毳
(
けば
)
をもて
撫
(
な
)
でらるる
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
黒塗の出格子窓から射しこむ陽の光が、
毳
(
けば
)
立った
坊主畳
(
ぼうずだたみ
)
の上へいっぱいにさす。
顎十郎捕物帳:07 紙凧
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
ぼんのくぼの痩せた
毳
(
けば
)
立った首をしょんぼりと垂れ、影うすく、俯向き加減に坐っているようすというものは、さながな区役所の書記が失業して、このごろは踏切へ旗振りに出ていますといった
体
(
てい
)
。
魔都
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
毳
漢検1級
部首:⽑
12画
“毳”を含む語句
毳々
毳毛
毳山
毳立