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毳
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むくげ
ふりがな文庫
“
毳
(
むくげ
)” の例文
沢子は少し身を退いて、薄い
毳
(
むくげ
)
のありそうな脹れた唇を歪み加減に引結んで、下歯の先できっと噛みしめていた。
野ざらし
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
千登世は朝髮を
梳
(
す
)
く時ぬけ毛を束にして涙含み乍ら圭一郎に見せた。事實、彼女の髮は痛々しい程減つて、添へ毛して七三に撫でつけて
毳
(
むくげ
)
を引き
毮
(
む
)
しられた小鳥の肌のやうな隙間が見えた。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
薄い
毳
(
むくげ
)
が生えていそうな感じのする少し脹れ上った唇を、歪み加減にきっと結んで、やや頑丈な鼻の筋が、剃刀を当てたことない眉の間までよく通り、多少尻下りに見えるその眉の下に
野ざらし
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
毳
(
むくげ
)
のありそうな柔かい薄い皮膚に代え、眼の奥の潤みを多くし、唇の肉付を薄め、指の節をまるめ、爪の生え際の深みを浅くし、首筋の肉をぼやぼやとさせれば、それで若やぐのだったから。
小説中の女
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
毳
漢検1級
部首:⽑
12画
“毳”を含む語句
毳々
毳毛
毳山
毳立