“木槿垣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むくげがき62.5%
もくげがき37.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
余所よそながら姉上の姿見ばやと思いて、木槿垣むくげがきの有りしあとと思うあたりを、そぞろ歩行あるきして、立ちて、伺いしその暮方なりき。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だん/\進んで行くと、突當りの木槿垣むくげがきの下に、山のはなれた許りの大滿月位な、シッポリと露を帶びた雪白の玉菜キャベーヂが、六個むつ七個なゝつ並んで居た。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
暗い闇の中の提灯は、木槿垣もくげがきを背にして立った荻生さんの蒼白い顔と父親の禿頭はげあたまとそのほかの群れのまるく並んでいるのをかすかに照らした。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
その居宅は田鶴見子爵の邸内に在りて、裏門より出入しゆつにゆうすべく、やかたの側面を負ひて、横長に三百坪ばかりを木槿垣もくげがきに取廻して、昔形気むかしかたぎの内にゆかしげに造成つくりなしたる二階建なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)