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南天燭
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なんてん
ふりがな文庫
“
南天燭
(
なんてん
)” の例文
南天燭
(
なんてん
)
の
紅
(
あか
)
い実を目に入れた円い白雪は、お定りその南天燭の葉を耳に立てると、
仔細
(
しさい
)
なく
兎
(
うさぎ
)
である。雪の日の愛々しい戯れには限らない。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
片側は人の歩むだけの
小径
(
こみち
)
を残して、農家の生垣が
柾木
(
まさき
)
や
槙
(
まき
)
、また
木槿
(
むくげ
)
や
南天燭
(
なんてん
)
の茂りをつらねている。夏冬ともに人の声よりも小鳥の
囀
(
さえず
)
る声が耳立つかと思われる。
葛飾土産
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
知らぬ顔して、何にも言わないで、
南天燭
(
なんてん
)
の葉に日の当る、小庭に、雀はちょん、ちょんと遊んでいる。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
なお驚いたのは、
前刻
(
さっき
)
の爺さんが同じ処で、まだ
熟
(
じっ
)
と
南天燭
(
なんてん
)
の枝ぶりを見ていた事です。——一度宿へ帰って出直そうとそこまで引返したのですが、考えました。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
角
(
つの
)
ぶちの
目金
(
めがね
)
で、
熟
(
じっ
)
と——別に見るものはなし、
人通
(
ひとどおり
)
もほとんどないのですから、すぐ分った、鉢前の
大
(
おおき
)
く茂った
南天燭
(
なんてん
)
の花を——(実はさぞ
目覚
(
めざまし
)
かろう)——悠然として見ていた。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
……
鵯
(
ひよどり
)
が
南天燭
(
なんてん
)
の実、
山雀
(
やまがら
)
が
胡桃
(
くるみ
)
ですか、いっそ鶯が梅の
蕾
(
つぼみ
)
をこぼしたのなら知らない事——草稿持込で食っている人間が煮豆を転がす様子では、色恋の沙汰ではありません。——それだのに……
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
南
常用漢字
小2
部首:⼗
9画
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
燭
漢検準1級
部首:⽕
17画
“南天”で始まる語句
南天
南天竺
南天弓
南天棒