あか)” の例文
夜更けの大川はさすがに鎭まり返つて、最早絃歌げんかあかりもなく、夜半過ぎの初秋の風が、サラサラと川波を立ててをります。
晃々こうこうと、あかりと家臣をそこに集めて、すぐ翌日の手筈てはずや協議であった。家臣たちの顔もみな硬ばっている。誰も、深夜の内匠頭の青白い顔や、食事の量にまでは、気がつかないであろう。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほんとに口駄くだらないよと云うのを何だと思えば、それあの燭台の前に居る、あゝあの服を着た方よ、好男子いいおとこが居ると高ちゃんが云うから行って見ると、眼鏡の金縁へあかりが映ってそれで顔が光るのよ
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)